140210かさ。良くご存知の通り、雨の日の必需品ですね。雨が降ると思って持ち出し、予想が外れようものなら、邪魔で仕方が無い厄介なお荷物となります。現代では、雨降りの日であっても、アーケードや地下道などのおかげで、それ程雨に当たらずにやり過ごせることも多いです。

余談ですが、日本では元来、傘(笠)は天から降る魔をよけるための道具として貴族に使用されたそうです。また、大きなお祭りのテーマであったり、妖怪のモチーフに用いられたりと、精神世界の何らか動きを表現する際に登場することも多いですね。それにしても、傘お化けって、とびっきり面白い姿ですね…。

「傘を見ればその人の将来が見える」という話があるそうです。ここでいう傘とは、傘布が開かれた状態ではなく、閉じられた状態をいいます。レストランや、ホテルなどのクローク(荷物を預かってくれるところ)で、お客さんの荷物を受け取る仕事をしているプロがそう言うそうです。

永く他人様の物を預かる仕事をしながら得た経験則として、傘布をきちんと巻いて、閉じた状態の傘が美しく保たれている人の将来は明るい、つまり成功する確率が高いのだそうです。ちなみに、傘の正しい閉じ方とは、傘布の端を1枚ずつピンと張りながら丁寧に巻きつけていき、巻いたときに全ての布が等間隔で並行に並んで見える状態で止めるのです。難しくてそう簡単にはできません。なおかつ可能な限り細く巻かれておれば、より美しい傘だそうです。昔のイギリスには傘巻きを仕事にしていた人が居たというくらい、閉じて巻かれた傘の姿こだわっていたらしいです。ちょっと想像できませんね…。

このお話、傘そのものがきちんとした状態であるから、その人の将来は明るいということなのでしょうか…。じゃあ、極端に言えば傘さえきちんと巻いていれば…。となってしまいますね。もちろん、そんな話ではありません。

実用一辺倒に思える傘、「使えればどうでもいいでしょ」と言いたくなる傘。そんな傘を丁寧に使おうとする心こそが、「将来が明るい」とされる理由でしょう。そして、統計的に見てその通りになる事が多かったのでしょう。

先生たちは、「机の上を片付けましょう」 何度となくこんな号令を掛けたと思います。その時に皆さんは思いませんでしたか。「机の上が片付いていても…」と。確かに、ただ机の上が片付いているだけでは、成績なんて上がるわけはないですよね。大切なのは、片付けながら何を思うかです。

机の周りや引き出しの中にある、場合によっては散乱している、参考書や学校の教科書、ノートや筆記用具などを1つずつ、丁寧にあるべき場所に整理しながら、「今後この机で勉強するときには、同じように細かな事柄も1つずつ丁寧に勉強しよう」と心に決めていきましょう。ついでに、自分の鞄の中から部屋の隅々まで、色々な思いを込めながら掃除してみてはどうでしょうか。

まもなく春、新年度がスタートします。学校の教科書をはじめ、色々な物が真新しくなることも多いでしょう。そんな時期を間近に控えて、一度本気で、自分の精一杯の心を込めて身のまわりの整理をしましょう。

傘布の1枚1枚を丁寧に巻きつけるように…。

えっ? そんなことまでするのですか?

そう、そんなことまでするのです! せっかくの春を、今までで一番やる気の満ちた春にするためにするのです!

さあ、今度こそ本当に机の周りを整理しなさい。

あっ、傘も大切にしましょうね。教室に持ってきた傘、絶対に忘れて帰らないでね。