兵庫県ではつい先週、高校入試の合格発表がありました。

生徒のみんなだけではなく、私も一緒になって頑張ってきたつもりなので、結果はとても気になりました。今回は、個人的に嬉しい気持ちもあれば、悔しくてやり切れない気持ちもあった高校入試でした。

今日は、私の中で思い出に残った生徒の話をしたいと思います。その生徒は、ある高校を志願していて、合格できる寸前まできていました。でも残念ながら、当日、その子の番号はありませんでした。長く能開でがんばってくれたのに、残念な気持ちでいっぱいでした。

合否発表の後、その生徒とお母さんが私のところまで来られました。これだけ頑張ってもらったのに申し訳ない。私はそんな気持ちでしたが、案外その生徒の表情は晴れやかでした。「やり切ったから後悔はありません。逆にいうと、次に何をしないといけないかが見えてきました。」と、その生徒は言いました。ある意味、私より立派だなと思いました。

みなさん、本気で頑張った後に仮に結果が出なかったとしても、気を落とす必要はありません。逆にそのことで、次に何をするべきかが今までより明確に見えてくれば良いのです。それがきっちり見えるまで走り続けてください。

走る方向が正しいかどうかは、結果が出てみないとわかりません。だけど、走らないと結果も出ませんからね。この春期講習会、短い期間ですが、全力でやってみましょう。何か一つでいい、今までやらなかったこと、嫌でできなかったことを一つやってみる。そんな春にしてください。

プロのスポーツ選手はそのスポーツをすることで報酬(給料)を受けます。高い給料をもらっている選手がいる一方で、一般的なサラリーマンよりも低い給料しかもらえない選手もいます。その差は何なのでしょうか。当然プロなので能力が高くなければ活躍できませんが、能力が高くても評価されない選手はたくさんいます。人の価値は「どれだけ多くの人から必要とされているか」で決まると考えます。

何もかも一生懸命なA選手がいるとします。練習時は物凄い量の練習をし、試合時は敗戦寸前でもあきらめず、勝とうとする姿勢を崩しません。後輩は「あの先輩があれだけ練習するのだから、自分も負けずに練習しよう!」と思う。そんな風に思う選手がたくさん出てくれば、間違いなくそのチームは強くなるでしょう。また観客は「全力でやっている選手のために大きな声で応援しよう!また試合を見に行って応援しよう!」と思う。そうするとチームの関連会社の売り上げが上がります。A選手はチームからもファンからも必要とされていてそのチームには欠かせない存在であるため、給料は必然的に上がっていきます。そしてその結果A選手はこう思うにちがいありません。「もっと結果を出して、ファンを喜ばせたい!より一層頑張るぞ。」

もうすぐ新しい学年になりますね。あらためて、まずは与えられた課題をしっかりこなしましょう。やりきることで学力はもちろん、忍耐力や集中力、苦手から逃げない心など社会に出てからより求められる人間力が高まります。2022年度も頑張っていきましょう。

皆さんは、「人生で最も苦しかったこと」を問われたら、何を思い浮かべるでしょうか。

私はいくつか思い浮かぶ中で、迷わず「高校行事のマラソン大会」を挙げます。
「たかが高校のマラソン大会で…」と思われるかもしれません。
ですが、私が通っていた高校のマラソン大会の距離は約50km。
加えて、当時の私の体育の通知表は「2」で、マラソンもクラスではビリから2番目。
高1のときは約40km走ったところで時間切れ。高2は約30kmのところで足が攣(つ)ってリタイヤ。

高3までには一度くらいは完走したかったので、私なりに努力しました。
行事の半年ほど前から、走行負荷を減らすためにダイエットすることから始め、1ヶ月前から放課後に1時間ほどランニング。
足が攣(つ)ることの対策で塗り薬を準備。
準備が功を奏してか、順調なペースで約40kmの地点へ進みますが、ここで思いがけないアクシデントが起こります。
なんと「空腹」で走ることができなくなります。ヨタヨタと歩くのがやっと。
ですが歩くペースでは時間切れになるのは間違いない。
中継地点でもらった食べ物を手に取ろうとリュックの中を漁りますが、出てくるのは食べ終わった「バナナの皮」「みかんの皮」…。
周りは土手道で、お店どころか自販機一つありません。
私は意を決し「みかんの皮」を口にします。(バナナの皮は硬すぎて食べられませんでした)
あんな「皮」でも意外にもエネルギーはあるもので、なんとか残り10kmを走り切ることに成功します。

家に帰って家族に完走の報告をすると、よほど意外だったのか、非常に驚かれました。
私自身も、長く越えられなかった壁を越えた実感があります。

3月も中旬を迎え、中学・高校・大学と新たな道へ進む人たちもいると思います。
これから進路が決まる人もいるはずです。ときには苦しいこともつらいこともあるでしょう。

みなさんには「苦境を乗り越えた経験」を大切にしてほしいと思います。
「苦しいけど、あの時よりはマシ」「あのとき頑張れたから、今回も頑張れる」
苦しさも、必ずみなさんの糧になると信じてください。
よい新生活を。

皆さんは、「習慣は第二の天性」という言葉を聞いたことがありますか?
元々はヨーロッパのことわざを翻訳した言葉であるそうですが、私は漫画を読んでいて、この言葉を知りました。

意味は、「身についた習慣は、生まれつきの性質・才能のように深く身についている」というものです。
悪い意味では、いくら才能があったとしても日々の生活を怠ってしまうと、その才能を開花させること無く、人生を送っていくと考えられます。
良い意味では、生まれもった才能があまり無かったとしても、充実した生活・習慣を過ごしていれば、生まれ持った才能を超えることができる、と考えることが出来ます。

天才だけが広い世界で活躍するのではなく、どんな人でも、今まで積み重ねてきた努力が習慣となって、当たり前にこなせるようになることで自分の力がどんどん伸びていくのだと思います。

さて、3月に入り地区によっては新学年が始まりました。
そして今週は宿題点検の日です。
改めて、今日までの1週間を振り返ってみて、この1年はこの習慣をつける!と思える良いスタートは切れましたか?
振り返った後は、より自分が成長できるような良い習慣を考え、次の1週間で実行していきましょう。