もうすぐ11月。秋が深まり、冷たい風が肌を刺します。
先生は、寒さが大の苦手です。一年中夏がいい。いつか南の島に住みたいなぁ、とずっと夢見ているのですが、実現までの道のりはなかなか厳しそうです。

さて、みなさん。「11月1日」は、何の日か知っていますか?
1が3つ綺麗に並んだこの日は、「犬の日(ワン、ワン、ワンの語呂合わせ)」、「川の日(111が川の字に似ているため)」など、様々な記念日になっています。
そして、この日は「いい姿勢の日」でもあります。1が、背筋がピンと伸びているように見えますよね。
普段生活していて自分の姿勢を意識することはありますか。せっかくなので、これを機会に今の姿勢を見直してみましょう。

ある調査によると、現代人はパソコンやスマホを長時間見ることが多いため、約8割の人が猫背気味なのだそうです。
猫背になるとどうなるのか。
背中が丸くなることで肺が圧迫され、深い呼吸ができなくなります。結果、脳への酸素が不足して集中力が低下し、疲れやすくなります。
つまり、勉強の時こそ、特に「いい姿勢」を意識してほしいのです。

■まず大切なのが椅子に深く腰かけること。お尻を背もたれにつけるように心がけましょう。
■背すじは意識的にまっすぐ伸ばしましょう。頭の上から糸で軽く引っ張られているイメージです。
■机と体の間が離れすぎないように。こぶし1個分だけ空けましょう。
■ひざを曲げる角度は、できるだけ90度を意識しましょう。

これだけで、いつもより深く呼吸ができるようになり、より勉強に集中できる気持ちになれると思います。
寒くなると、自然と体が縮こまりがちです。
胸を張って、背筋をシャキッと。今日も頑張っていきましょう!

皆さんは「ハインリッヒの法則」をご存知ですか?アメリカの保険会社の調査部にいたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒという人が導き出した法則で、別名「1:29:300の法則」とも呼ばれています。工事現場の1つの大きな事故の背景には29の小さな事故があり、その背景にはさらに300のヒヤリハット(大事には至らなかったけれど、ヒヤリとしたり、ハッとしたりする瞬間のこと)があるというものです。

これは医療現場や工場などでも幅広く取り入れられている考え方で、大きな事故を防ぐには、ヒヤリハットの段階から対処していくことが必要だと教えてくれます。ヒヤリとした時に、「大事に至らなくて良かった」と思うのではなく、「わずかな差で大事故になっていたかもしれない」、「なぜヒヤリハットが起きたのか」を考えることが事故を防ぎます。

同じように、「割れ窓理論」というものもあります。小さな犯罪を徹底的に取り締まることが、大きな犯罪の抑止につながるというものです。治安の悪い地域では、割れた窓を修理せずに放置すると、他の窓も割られやすくなることから、この名前が付けられています。

受験勉強において日々の積み重ねが大事だということは、能開生なら何度も聞いたことがあると思います。しかし、皆さんが積み重ねているのは、プラスの要素だけではなく、同時にマイナスの要素も積み重ねているのかもしれません。

「授業中に気が抜けてしまった」「宿題を忘れた」「小テストで計算ミスをした」、これらの積み重ねが、受験本番での大きなトラブルにつながる可能性があります。小さなことだから「大したことない、大丈夫だ」と考えていると、思わぬところで足元をすくわれるかもしれません。ヒヤリハットは誰でも起こりえることで、様々な原因があります。1つでも不安な要素を減らしつつ、勉強を進めていきましょう。

この夏、57年振りに東京オリンピックが行われました。地球規模の新しいウイルスの流行によって1年遅れての開催でしたが、日本選手の目覚しい活躍もあり、大いに盛り上がりました。その開会式では、各国から集まったアスリートたちの入場行進の際、BGMとして、「DQ」「FF」「モンハン」などの日本発のゲームのテーマ音楽(全19曲)が流れ、世界中でSNSを中心に大きな話題となりました。「コロナ禍のオリンピック開会式」と「ゲーム音楽」、一見ミスマッチのようで意表を突かれましたが、「オープニング」「英雄」「災厄を救う」という共通項があり、マンガ風のデザインに彩られたステージに迎えられた選手たちは物語の主人公であり、疾病によって混乱に陥ったこの世に希望の光を灯す「勇者」になる、そんな演出になっていて、とても好感が持てました。

行進の冒頭を飾ったのは、かの有名な「ドラゴンクエスト」の“序曲:ロトのテーマ”(Ⅲより)。ドラクエは、1986年に発表された第1作を皮切りに、現在計11作にまで連なるコンピュータRPGの最高峰シリーズ作品ですが、皆さんは、その曲の作曲者が90歳の東大卒・レジェンドゲーマーだということをご存知でしょうか。

彼の名前は、すぎやまこういち氏。すぎやまさんは、幼い頃から音楽に親しみ、学生時代は、特にクラシックに傾倒していました。将来音楽家になりたかった彼は、当然、音楽大学への進学を希望しますが、「高い学費がとても払えない」「家にピアノがなくて弾けない」といった理由から、泣く泣く音大受験を諦め、仕方なく、東京大学・理科二類に入学し、作曲については独学で勉強しました。大学卒業後はフジテレビに入社し、ディレクターとして手腕を発揮すると同時に、作曲家としてヒット曲も量産しました。そんな彼がドラクエと出会ったのは、フリーになって活動していた50代半ばのことでした。新たなフィールドに飛び込んだ当初、年齢的な隔たりもあり、20代の若者中心のドラクエ制作スタッフとは結構ギクシャクしていたようですが、彼自身が筋金入りの無類のゲーム好きであったこともあり、次第に打ち解けていきました。

ドラクエの世界観が「中世ヨーロッパのファンタジーテイストの騎士物語」であったことに加え、ゲームという特性上、何百回聴いても飽きない“聴き減りしない音”の必要性を鑑みた結果、「クラシック音楽」をベースにすることを信条にして、35年もの間、彼は500曲以上に及ぶ楽曲をすべて一人で作っています。また、自らオーケストラを指揮して、“ドラクエコンサート”なるものを全国各地において定期的にライブで実施しています。ついには、2016年に、「世界最高齢(満84歳292日)のゲームミュージック作曲・編曲者」として、ギネスブック世界記録にも登録されました。

思えば、人生は、多くの課題や目標を抱えながら探求する、未知なる旅のようなものです。すぎやまさんは、ある対談で、「ゲームと違って、人生には決まった攻略法はありません。目の前の困難から逃げてはダメです。ゲームも人生も、逃げたら経験値は上がりません。」と話していました。何でも新しいジャンルが好きで、常に新進気鋭の現役でありたいという「絶えず挑戦し続ける精神」が、多くの世代に愛される名作を産んだと言えるでしょう。

生ける伝説であったすぎやまさんが、9月30日に亡くなりました。
ドラクエⅡのエンディングである神曲「この道わが旅」をBGMに、
また新たな冒険の旅に…。
ふと、そんな気がしました。

数日前のニュースで流れていましたが、横綱の白鵬が引退を表明しました。白鵬といえば、歴代最多の優勝45回を誇る名横綱です。2位の大鵬が優勝32回ですからどれだけ強かったかがわかると思います。平成・令和の名横綱ですね。

一方、昭和の名横綱として大鵬と共に有名なのが双葉山です。双葉山が持つ69連勝という記録はまだ誰にも破られていません。昭和11年から14年まで、3年間ずっと勝ち続けたのですから、まさに敵なしの横綱でした。その双葉山が安芸ノ海に敗れて連勝記録がストップした時には、「自分はまだまだ未熟だ」という意味の言葉を残しました。相撲道に前向きに取り組み続けた双葉山らしい言葉です。

双葉山は引退した後、親方として弟子の指導にあたりました。その時によく語っていた言葉が「稽古は本場所のごとく、本場所は稽古のごとく」です。「練習では本番のつもりで緊張感を持って取り組み、逆に本番では緊張せずにリラックスして戦いなさい」と言う意味です。双葉山は弟子たちに技の指導はもちろん、心の持ち方も教えていたのです。

さて能開では、先週から中3生の「公立模試」がスタートしました。入試本番の問題に短時間で取り組む入試対策特訓です。これが来年の入試直前まで20回続きます。入試本番と同じことを20回も繰り返すのですから、皆さんは入試のベテランになるはずです。

中3生の皆さんは、入試本番でリラックスして問題を解けるように、緊張感を持って公立模試に取り組みましょう。練習は本番のごとく、本番は練習のごとくです。来年の春には、きっとたくさんの桜が咲くはずです。