200225

今から数年前、ふと、教室に掲示してある夏合宿のポスターを見ると「北海道」の文字が目に入りました。
しばらくその文字を見ていると「あれ?北って漢字はこんな形をしてたっけ?」と思い、すぐに紙を持ってきて書いてみました。
「違う。形が違う……」目の前の紙に書いた北の形と、ポスターに書かれている北の形が違っていました。

全身から血の気が引いていくのが分かりました。小学校でこの漢字を習い、それからウン十年。漢字を間違えたまま覚えてしまっていたのか?間違いに気づかず今まで書いてきたのか?冷汗が止まりません。

急いで漢和辞典を持ってきて調べました。漢和辞典に載っているものも自分が書いていた形と違っていました。「なんてことだ……」その場に崩れ落ちそうでした。しかし、筆順のところをよく見ると、自分が書いた形と同じでした。
「間違ってはいないのか?」
その後、他の先生に「北」という字を書いてもらうと、さっき自分が書いた字と同じ形でした。そこでようやく北という文字は、「書いた形」と「印刷された形」が異なるということが分かりました。

人生で一番衝撃を受けました。

それはなぜか。今まで「北」という文字は何百、何千と見てきたはずなのに、「書いた形」と「印刷された形」が違うということに全く気づいていなかったからです。

気にも留めていなかったこと。
それが当たり前と思い、別のことを考えもしなかったこと。
身の回りにはそんなことがたくさんあるのかも知れません。
ちょっと立ち止まって、見方を変えてみると、今まで気づかなかったことに気づいたり、見ているようで見えていなかったものに出会えるかも知れませんね。

ちなみに君は「北」という漢字は「書いた形」と「印刷された形」が違うことに気づいていましたか?  日本人のうち、いったいどれくらいの人が気づいているのか?気づいていなかったのは自分だけなのか?秋の夜長に考え出すと眠れません(笑)

200225

9月も下旬。随分と過ごしやすい気候となりました。8月のあの暑さも遠い日のように感じます。昨日9月22日は秋分の日ということで、いよいよここから秋めいていきますね。受験生の皆さんは寒くなるほどに受験勉強に熱が入っていく時期でもあるでしょう。緊張感も日増しに高まり、時に視野が狭くなってしまい、イライラがつのったり、感謝すべき人に我儘をぶつけてしまうなんてことが、ひょっとしたらあるかもしれません。勉強の合間、ちょっと秋の夜長に空を見上げてみましょう。

今日9月23日がどんな日か皆さんはご存じでしょうか。今から174年前の今日、太陽系の第8番目の惑星である「海王星」が発見された日なんですね。

1846年9月23日にベルリン天文台のガレという人が海王星を発見しました。海王星はネプチューンと呼ばれ、なんとその公転周期は165年。地球の公転周期が1年ですから、いかに太陽から遠いかがわかりますね。さらに、星の質量は地球の17倍もあり、平均気温は-230℃、その大気中では風速600m/s、時速にして2200km/hもの風が吹いているそうです。もはや想像の域を越えます…。

今はインターネットが非常に便利な世の中になりました。海王星に限らず多くの星の写真を見つけることができます。目の前にある写真・画像を見て、そして、夜空を見上げてみましょう。

大きな時の流れの中で動いている星を見ると、今目の前にある受験勉強にも心に余裕を持って取り組めそうな気がしますね。

行き詰ったら、秋の夜長に空を眺めてみよう。

200225

withコロナの今年、私は休みの日を家で過ごすことが多くなりました。 ほぼ1日寝ていることもありますが、今まで以上に読書に費やす時間が増えた気がします。「まじめかっ!」とお思いでしょうが、実態は、中学・高校時代に読んでいた漫画を引っ張り出してきて朝から読み始め、気づけば次の日の朝なんてことも・・・(タッチ、めぞん一刻、スラムダンク、横山三国志etc.)。

そんな中、最近のブームに乗って、アルベール・カミュ(1913‐1960)の『ペスト』という小説を読みました。舞台は20世紀半ば、北アフリカ・アルジェリアの都市オラン。街中で大量のネズミが死に、人々が不審に思い始めた矢先、高熱に苦しみ血を吐いて死ぬ人が続出します。主人公の医師リウーはいち早く『ペスト』という感染症の症状であると診断、迅速な対応を医師会や行政に相談するのですが・・・。

興味がある人は、是非、続きを読んでみてください。個性豊かな登場人物が、予期せぬ感染症蔓延の中、思い思いの行動に出ます。そして、その様子が非常に多くの部分でコロナウィルス流行下の今の時代に重なることに驚かされます。この作品が発表されたのが第二次世界大戦終了後間もない1947年のことですから、まさしく「予言の書」と言うことができるでしょう。作品を読み、「自分だったらどうするか?」「この人がこんな事をするのは(言うのは)何故だろう?」などと様々に思いを巡らせることで、先行きの分からないこれからをどう生きていくか、自分なりの判断軸が持てるようになると思います。

『ペスト』に限らず古今東西の有名な著作には、生きていく上でのヒントがたくさん詰まっているのではないでしょうか?そういう意味で、世の中には「予言の書」がたくさんあるのだろうと思います。

また、難しそうな作品を手に取るのが億劫なのであれば、まずは国語の教科書に収められた短い文章でも良いでしょうし、マンガや絵本といったものでも読み方次第では得るものが非常に多くなるはずです。

読書の秋、到来―。何か面白い作品を見つけたら、是非、私にも教えて下さい。

200225

今年の夏休みは新型コロナウイルス感染症の影響で、とても短かったことと思います。今は第2波が早く収束してくれることを願うばかりですが、冬になるとインフルエンザの感染が始まりますから、それも気になるところですね。

ティエラニュース8月号で感染症を特集していましたが、皆さんは細菌とウイルスの違いを知っているでしょうか。どちらも肉眼では見ることができませんが、細菌は自分自身の力で増殖できる単細胞生物で、結核菌やブドウ球菌、乳酸菌などが有名です。

一方でウイルスは細菌よりずっと小さく、電子顕微鏡でしか見ることができない微生物です。自分自身では増殖できないので、他の生物の細胞に入って増殖していきます。インフルエンザウイルスやノロウイルス、風疹ウイルスなどが有名です。日本では50年以上発症していませんが、致死率ほぼ100%の狂犬病ウイルスというのもあります。

細菌やウイルスを含めた微生物は、空気中や水の中、土の中に無数に存在していますが、人間にとって必ずしも悪い存在ではありません。それどころか、人間の皮膚の上や体の中にもたくさん存在していて、悪い菌から守ってくれたり、消化を助けてくれています。私たち人間も微生物と共存することで生きているのです。

微生物は食べ物の発酵や腐敗にも関係しています。ところで、発酵と腐敗はどう違うのでしょうか。どちらも微生物の力で物質が変化する現象ですが、人間にとって有益(おいしくなる、長持ちする)なら発酵ですし、有害(毒になる)なら腐敗ということになります。

有益な微生物の例として、味噌、醤油、カツオ節、納豆、漬物などがあります。これらは微生物の力で食べ物をおいしくしたり、保存性を高めたりしています。皆さんが朝食で食べるヨーグルトやパンなども、微生物の力を借りて作られているのです。また、水道の水からカビ臭さを取り除いておいしく飲むことができるのも、高度浄水処理という方法の中で、微生物が有機物やアンモニアを分解しているからです。

私たちは微生物を直接見ることはほとんどできませんが、私たちの生活に深く関わっています。皆さんも身の回りにある微生物の存在を探してみませんか。