皆さんは「天才」という言葉を聞いたときに、なにを思いつきますか?
東大・京大生の頭脳、スポーツ選手のスーパープレイ、好きなアーティストの音楽・・・それぞれ思いつくジャンルは別でしょうが、なんとなく「生まれつき持っている才能」のように思ってしまいますよね。
「天才」と呼ばれる人で、「発明王」と呼ばれたアメリカの偉人、トマス・アルバ・エジソンについてお話しようと思います。
私が言うまでもなく、みなさんご存知かと思います。蓄音機や白熱電球、電話や発電機などの発明をしたと聞いたことがあるのではないでしょうか。それ以外にも映画(上映フィルムの規格や映写機)など、これらの発明品は形やあり方を変えて存在しています。彼の発明が、現代の生活を支える基盤になっているといっても過言ではないでしょう。もし電話が無かったら?もし電気が無かったら?今の私たちにはあまりにも身近で、それらがない生活は想像できないですよね。
そんな偉大な発明品の数々ですが、実はエジソンが0からすべてを作ったわけではないのです。例えば白熱電球。設計・仕組みをつくったのは別の発明者(ジョセフ・スワン)なのですが、当時、19世紀半ばの一般家庭で使われていたガス灯よりも安全ではあるものの、約40時間しか使用できないものでした。エジソンは「どうやったら長く使えるようになるか」「どうやったら広く普及させる事ができるか」を考え数々の実験をする中で、フィラメントの素材に着目、手近にあった扇子を解体して竹炭にするアイデアに至ったのです。約1000時間光る上、従来よりも小型でネジ式の取り付け方式で交換しやすい、利便性を高める事に成功したことがエジソンの功績です。
「天才」といわれるエジソンの功績は、既存のものに自分の発想を加えて使いやすくし、人々の生活をより良くする「改善改良」にあるといえるでしょう。今に満足せず、先人の発想を基盤にして、より良く出来るのではないか?と研究に取り組む。成功にたどり着くまで、多くの時間を積み重ねて成功にたどり着く。ひらめきだけでなく、実際に挑戦し続けること。決して途中で投げ捨てずに取り組めるというのは、功績を手にするために必要な「努力の才能」をエジソンが持ち続けたことの証明でしょう。
皆さんが勉強するとき、手元には何がありますか。問題に取り組むためのゼミテキスト。そして参考書を活用して、自分に必要な考えをまとめて、ノートを作る。参考書に書かれている大切な知識は、先人の努力の積み重ねによって作られた、情報の集まり・集合体です。みなさんは、知識を得るための機会・媒体を数多く身近に持っています。「他の人によって集まった情報を」「自分にわかりやすくまとめる」。ノートづくりの基本であり、もっとも大切な事です。
勉強で新しいことを学ぶ、スポーツで技術を体得する、・・・どんなことも、まずは基礎が大切です。そこから自分の能力を高めるために努力をしつづける、「努力の才能」を皆さんは持っているはずです。エジソンそのものになるのではなく、エジソンのような「努力の才能」に気付いてほしい。エジソンの言葉を引用します。
“Genius is one percent inspiration, 99 percent perspiration.”
「天才とは、1%のひらめきと、99%の汗である。」エジソンも多くの実験、失敗を経て様々な発明品を改善していきました。エジソンに倣いましょう。1%のひらめき、成功を手にするための、99%の努力の汗をかいていきましょう!