200225

みなさんは「知の呪縛」という言葉を聞いたことありますか?

知識はいくらあっても損をすることはないので、普通はたくさん持っているほどいいとされています。ところが、その反対に知っているからこそ起こる問題というものもあります。

人は自分が知っていることを、他の人も知っていると思ってしまうことがあります。知識を得ると、その知識を持っていない人の気持ちが分からなくなる現象が起きてしまいます。(熱心に勉強する人ほど、この傾向が強いそうです。)

一つの例として、「叩き手」と「聴き手」についての実験がありました。

たくさんの人を「叩き手」と「聴き手」の役に分け、「ハッピー・バースデー」など誰もが知っている25曲の歌のリストを渡しました。「叩き手」は、リストの中から1曲選んで机でリズムを叩きます。「聴き手」は、そのリズムを聴いて曲名を当てるゲームです。

ゲームの前に叩く方の人たちにたずねると50%は当たるだろうと予想しましたが、結果は120曲中、たった3曲(2.5%)しか当たりませんでした。聴いてる人には意味不明の音にしか聴こえませんが、叩いてる人は「なんで分からないんだ?」とイライラしました。

お互いの間にあるこのギャップが「知の呪縛」です。いったん知ってしまうと、それを知らなかったときのことが分からなくなり、知識に呪いをかけられたようになります。

そうすると、話をしていても溝が生まれてしまいます。

これは日常的によく起こっています。友だちと話しているときに「なぜ、知らないの?」「なんで分からないの?」と思ったことや、態度に出てしまったことはないですか?また、自分で作ったノートを見返しても分からなかったことはないですか?

作るとき(叩き手)は曲名を知っているので、頭の中にメロディが流れていますが、読み返すとき(聴き手)メロディが流れていません。

自分と人の知識にはギャップがあるということを意識するだけでも、物事の見え方がきっと変わってくるはずです。人の立場に立って考えることが良い人間関係を作ります。

新型コロナウイルスの影響で、自分勝手な行動を取る人が増えています。こんな時だからこそ、自分のことだけではなく、他人のことを考えた行動を取れる人になりたいですね。「思いやりの心」を忘れないで過ごしましょう!

200316

桜も満開を過ぎ、4月も半ばとなりました。
二十四節気では、この時期を「清明(せいめい)」といい、空は澄み渡り、全てのものが清らかで生き生きとしている様子を表しています。(二十四節気とは、旧暦で1年間を24等分し、それぞれに季節を表す名前をつけたもの。夏至や冬至など、今でも季節の節目に用いられていますね)

さらに、二十四節気を5日ごとに分けると、今週の4月14日~19日は「虹始見(にじはじめてあらわる)」という晩春の時期にあたります。空気が潤ってきて、きれいな虹が空に見られる様子をいいます。

さて、この虹の色、みんな間違いなく「7色」と答えますよね。上から、赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍・紫と並んでいて、全部で7色。

しかし、他の国では必ずしも7色とは限らないって知っていましたか?

虹が7色なことは、日本では当たり前ですが、アメリカやイギリスでは6色とされているそうです。日本では、青と藍を区別していますが、これを分けて見ていないからです。さらにドイツでは、5色と少なくなります。これは赤と橙が区別されていないから。南アジアのある部族の中では、なんと2色とされており、これは赤系(暖色)と青系(寒色)のみで分けているからなのだとか。調べてみると、アフリカでは8色、インドネシアでは4色など、虹の色は国によって色んな見え方をしていることが分かります。虹そのものが場所によって異なる配色で出現しているわけではなく、見る人のとらえ方によって見え方が違うだけなのですね。日本人は古来から色に対する感性が豊かで、同じ色にも、様々な繊細で美しい表現があります。ですから、日本では微妙な色の重なりを区別してとらえ、7色としているのでしょう。

ただ、今世界の多くの国では、きれいな虹を見たいと思っても、なかなか外にすら満足に出ることがかなわない日々が続いています。みなさんも、学校が休みになったり、遊びに行けなかったり、友達に会えなかったり、我慢する事が多いかもしれません。こんなにいい季節なのに、つまらないですよね。でも、みなさん一人ひとりが、家で勉強を進めたり、本を読んだり家族と過ごしたりすることが、みなさんやご家族やお友達にとって、今一番大事なのです。先生たちは、そのためのサポートを惜しみません。

それが、日本だけでなく、また世界の色んな国で空にかかる虹を思う存分見上げられるようになる近道です。空はつながっていて、見え方は少し違っても、虹を美しいと感じたり感動する気持ちは世界のどんな国でも同じでしょう。来年には、東京で1年遅れのオリンピックも開催される予定です。世界中で同じ喜びを分かち合うために、そしてみなさんが元気いっぱいの日を送るために、今だからできる過ごし方を考えてみませんか?

2003164月になりました。いよいよ新学年のスタートです。

みなさんは「春」「新学年」という言葉からどんな「色」をイメージしますか。
おそらく多くの人が「桜色」を思い浮かべるのではないでしょうか。

このように、私たちの思考や心理と「色」には密接な関係があります。普段の生活で目にする様々な色にも意味やメッセージが込められていて、私たちは無意識のうちにそれらの影響を受けていることが多いです。

例えば、信号。「止まれ」に「赤色」が使われているのは、「注意」「注目」をイメージさせる色だからです。また、赤色は「安さ」をイメージさせる色でもあります。スーパーのチラシやセールで赤色を目にすることが多いのはそのためです。逆に高級ブランド品を売るには不向きな色と言えます。

様々な会社には、その会社のシンボルとなるロゴマークがあります。このロゴマークで世界的に一番使われている色は「青色」だそうです。ティエラコムのロゴも青色ですね。これは「知的さ」「誠実さ」「信頼感」など、企業イメージをアップさせる多くの効果が見込める色だからです。海や空の色でもあるので、さわやかで広がりのある印象も受けますね。

ですが、食べ物屋さんのロゴに青色が使われていることは少ないとは思いませんか。これは、青色には「食欲減退」の効果もあるからです(ご飯を食べる時に青色の箸を使うとダイエット効果があるかも!?)。

 このようにとても奥の深い色の世界。もっと目に訴えかける直接的な部分では、学校や能開の教室にもある非常口マークが緑色なのは、もし火事になったときに炎の中で一番目立つ色だからです(緑色と赤色が、互いに一番引き立てあう補色の関係にあるからです)。

まだまだ私たちの身の回りで使われている色にはたくさんの意味や効果があります。「なぜこの色が使われているのか」。気になったらぜひ調べてみてください。

 新型コロナウィルスの影響でいつもとは様子が異なる4月。こんな時こそ、いつも以上に前を向ける「色」をそれぞれがイメージしながら、新しい生活をスタートさせましょう。