いよいよ夏休みに入りましたが、皆さんはどのように過ごしていますか。せっかくの夏休みですから、勉強にも遊びにも、思い切り力を注いでほしいものです。
さて夏山のシーズンに山登りする人も多いと思います。最近は特に富士山に登ることが人気で、外国人も含めて大勢の人が登っているようです。そういえば、能開でも昔は富士登山合宿があって、先生と子供たちが山頂までチャレンジしていました。その富士山は山梨県のものか静岡県のものかという論争がありますが、実は富士山の山頂付近には県境が存在しないのです。そればかりか、山頂付近には別の持ち主がいるのです。
江戸時代、富士山の山頂をご神体とする浅間(せんげん)大社に、徳川家康が八合目以上を寄付したことがきっかけで、所有者は浅間大社になりました。明治以降に一度は国有地に戻ったのですが、浅間大社が裁判に訴えた結果、現在も八合目以上の気象観測所や登山道を除いた部分は、浅間大社のものになっています。そして山梨県と静岡県は山頂を県境未定としたまま、協力し合って富士山の環境保全に努めているそうです。
このように日本の地形や地名には不思議なものがたくさんあります。たとえば都道府県の中で北海道だけがなぜ「道」という名前がつくのか、福岡県になぜ「博多市」が存在しないのか、東日本と西日本の境界はどこなのか、住所の「大字」「字」は何を表すか、などなど。
日本の地名には、その土地に暮らしてきた人たちの歴史や文化を知るてがかりが残されていることが少なくありません。時間がたっぷりある夏休みに、皆さんも身の回りで疑問に感じていることを調べてみてはどうでしょうか。きっと世界が広がると思いますよ。