先生は釣りが趣味で、大物を狙ったジギングが大好きです。
ジギングとは鉄などでできた疑似餌(ジグ)を使ってフィッシュイーター(魚食性の魚)を狙うアクティブ&アグレッシブな釣りです。狙いは8キロ~10キロぐらいのブリ・ヒラマサ・カンパチなど。これらの魚を狙うのに先生は「PE3号+リーダー40ポンド(約18kg)」の糸を使います。
狙う魚のサイズを考えるとライトなラインシステムですが、リールの性能を信じて(SHIMANOステラ8000PG)このシステムで挑んでいます。
いつものように海に出て大物を狙っていたところ、突然かつてないほどの大きなあたりがありました。竿が海面につきささり、リールから糸がでる音がジージーと響きます。あまりの音に船長が反応しました。一気に60mぐらい糸がでます。この直線的な走りはマグロです。
新年のニュースになるような超大物ではありませんが、それでも40kg以上のマグロが釣れることもあります。めったにない大物を獲るために船長は万全のサポートをしてくれます。魚が船の反対側に回ろうとすると、ファイトしやすい位置に操船してくれます。
しかしまったく魚がよってくる気配がありません。リールをもっとしめこんで糸を出さないようにすればいいのですが、あまりしめこみすぎると切れてしまいます。そんなやりとりが15分ぐらい続いたとき、船長に糸の太さを聞かれました。先生が「リーダー40ポンド!」と答えた瞬間!
「マグロをなめんな!」という船長の怒声とともにエンジンが切られ、操船サポートがなくなった結果、糸が船底に触れて痛恨の糸切れ…。大物は幻と消えました。
ちなみに真面目に40kgクラスのマグロをしとめようと思ったらPE8号+リーダー200ポンド(約90kg)ぐらいの準備が必要です。先生の使っていた釣り具ではとうてい無理な獲物なんですよね。大物をしとめるためには、それ相応の実力で臨まないと味方(船長)すら敵にまわることになるんですよ。だからチャレンジするならしっかり準備が必要なんです。
皆さんの志望校選びもそうじゃないですか? 本当は第一志望校があるけれど、内申点が届いていないから志望校を変更しようと思っていませんか? 不合格にならないように1ランク落として出願しようと後ろ向きに考えている人もいるんじゃないかな。
でも安全な選択をするところに奇跡はおきません。新記録も生まれません。限界にいどむ精神も養われません。
能開はちがいます。みんなが本当に行きたいと思っているところに挑戦するような進路指導をしているでしょう。
そしてそこに合格するために一緒にがんばっていきましょう。身の丈以上の服だと思っていても、いずれ自分が成長すれば体にあうようになります。
自分のサイズを小さくしてはいけません。自分が本当に行きたいと思う学校に出願できるだけの実力をつけていきましょう。
君たちならできるはずです。