161226ルネサンス期の美の巨匠といえば誰が思いつくでしょうか。『モナリザ』で有名なレオナルド=ダ=ヴィンチが思い浮かぶかもしれません。しかしながら当時、ダ=ヴィンチよりも名声を得ていた人物がいます。存命中から「神から愛された男」と呼ばれたその人物の名はミケランジェロ=ブオナローティです。ルネサンス期の芸術家らしく、彫刻・絵画・建築・詩とさまざまな分野で優れた作品を残しています。『ダヴィデ像』や『天地創造』などが有名ですね。

美術史上最大の規模を誇る絵画が、サン=ピエトロ大聖堂の天井画『最後の審判』です。詩人ゲーテが、「人の成し得ることの偉大さをしりたければこの絵を見るがいい」といったことで知られています。その大きさは、四階建てビルの壁の面積に相当するといわれています(200㎡ほど)。これほどまでに大きな天井画はどのように製作されたのでしょうか。足場を組み、上を向いて描いたそうです。絵を描き始めた当初、人を雇って描かせたそうですが、仕事ぶりが気にくわず結局一人で描いたそうです。そのため完成まで4年の歳月を要しました。製作は相当過酷な作業だったようです。上に向かって描くという無理な姿勢で絵を描き続けたため体をおかしくしてしまいました。天井に描くため、体を弓のように反り返らせたため首の骨が曲がり、しかも絵の具がたれてきます。そのために目もやられたそうです。
『最後の審判』を見るとき、私たちはその圧倒的な迫力と美しさに目を奪われ、ミケランジェロの才能に畏敬の念を抱くことになるかもしれません。あるいは、「天才だ!」と思うかもしれません。「才能がある」、「天才だ」などという一言で片付けてよいのでしょうか。この製作の過程を知るとそのような疑問が頭をよぎります。たしかにミケランジェロは類まれな才能に恵まれたのは事実です。しかし、それと同じくらい情熱をかたむけ、苦しいことにたちむかっていたのではないでしょうか。すばらしいと思える“結果”は、毎日できることを継続した“結果”であるということです。

メジャーリーガーのイチロー選手がこう言っていました。「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道」だと。偉大な成果の裏には必ず努力があるということを忘れてはなりません。目標は果てしなく遠いかもしれませんが、いまできることを継続してやり続けてください。それこそが目標をかなえる唯一の手段です。そしてそれは誰もができる普通の積み重ねのです。

予断ですが、『最後の審判』の中にミケランジェロの自画像があるといわれています。天才と謳われたミケランジェロですが、生涯自分の容姿にコンプレックスを抱いていたようです。意外な姿で描かれています。気になる方は探してみてください。

161219メリー・クリスマス。もうすぐクリスマスですね。
私は敬虔な仏教徒ですので、クリスマスを祝うことはしませんが、メリー・クリスマスといえる国は素敵だと思います。アメリカでは他の宗教に配慮してハッピー・ホリデイズということが主流だそうです。
メリー・クリスマスといわないのではなく、他の宗教の祭りも認めるのが正しい姿勢だと思うのですが…。

アメリカの次期大統領のトランプ氏も以下のように言っています。
We’re going to start saying ‘Merry Christmas’ again!
(我々は再びメリー・クリスマスと言おう)

さて今月、我々仏教徒にとってとても大切な日がありました。そう成道会(じょうどうえ)です。
悩み続けられたお釈迦さまは35歳の12月8日、菩提樹の下で悟りを開かれ仏陀となられました。
ところが、仏陀は再度座禅をくんでいます。修行をしています。修行とは悟りを開くためにするのでは。仏陀は実は悟りを開いたわけではないのでは。いや、確かに悟りは開いていた。そして、更なる高みを目指したのだと思います。次に釈迦はその教えを弟子たちに広めていきました。

今勉強に苦しんでいるみんなに伝えたい。釈迦だって悩んだのだ。苦労したのだ。苦しんで当然だ。
目標のレベルに達したひとに伝えたい。釈迦はさらなる高みを目指したのだ。受験生なら、難関レベルに挑戦したっていいじゃないか。高校内容の先取りをしたっていいじゃないか。受験生以外でもテキストの応用に挑戦したり、次学年内容を先取りしたりしたっていいじゃないか。
そして、自分のやり方を後輩や勉強に苦しんでいる人に教えてあげて欲しい。能開生なら切磋琢磨して勉強に取り組んで欲しい。

能開弥栄。

161212英語のことわざに
◆Misfortunes never come alone.
「不幸は決して単独でやってくることがない」

というのがあります。要するに「悪いことや不幸なことというのは、たいてい立て続けにやってくる」
ということを表しています。いろいろなことによく当てはまるなぁと思わされますが、だからといって慰めてもらおうと不幸をアピールしていてばかりではあまりにも悲しいですね。

そういうものだと先人が教えてくれたのなら、それを胸に留めておき、もし何かが起きてしまったのなら、ひとつひとつ解決していけば必ず全てを解決できるんだと強い気持ちで対応するべきです。

こんなことわざもあります。
◆Rain before seven, fine before eleven.
「7時前に雨だったとしても、11時前には晴れているよ」

「悪いことばかりが続くものではない」ということですね。
決して能天気になることを勧めるわけではないですが、ものごとをポジティブに捉えることも必要です。

◆Today is the first day of the rest of your life.
「今日という日は、きみの残りの人生の最初の日だ」

このように、思い込みから自分を開放して、少し捉え方を変えてみることも必要です。
「“がんばれ、がんばれ”って、こんなにがんばってるのにまだ言うの?」
と思ってしまう自分がいたら、その捉え方を変えてみましょう。

あなたにとって一番大切な人がツラい状況にある時、あなたはどんな気持ちになりますか?
何とかしてあげたい、何かしてあげたい、でも何もできない、代わってあげることもできない。。。
そんな時にかける言葉が「がんばれ」だったりしませんか?
そして、その短い「がんばれ」には、「いつも応援しているよ」「どうかうまく行きますように」など、その大切な人への強い想いが込められていませんか?

特に受験生の周りではよく飛び交う「がんばれ」ですが、それぞれの人の熱く重い気持ちが込められているんです。サポートしてくれる家族の方々や友達、能開の先生の言葉をそんな風に捉えてみてください。

では、誰よりも強く熱く重い想いを込めてみなさんにこの言葉を贈ります。
「がんばれ!!!」

161205朝と夜の気温もグンと下がり、関東では初雪も降りました。いよいよ冬がすぐそばまで来ています。
冬と言えばスキー。先生が大好きなスポーツの一つです。冬のスキー合宿を心待ちにしている人も大勢いることと思います。

さて、先生がスキーを始めたのは幼稚園児の時でした。スキーが好きで、冬には近所の山に登って遊んだり、当時は学校でも体育でスキーがありました。それだけやればスキーが上手になるのも当然と思いますが、実はスキーが上手になるには秘訣があります。

それは転ぶことです。
転んで失敗をくり返すことで、スキーはドンドン上達します。先生も今までに何百回も転んだことで、スキーが上手になりました。
転ぶ=失敗は、なぜ失敗したのか、自分に教えてくれます。じゃあ次はどうすればいいか。上手くすべるにはどうしたら良いか。自分で考えて、自分の体に覚えさせていく訳です。

スキーでは転んでも、ずっと転んだままの人はいません。すぐに立ち上がり、またすべり始めます。先生はスキーから、失敗してもすぐ立ち上がる前向きな気持ちと、失敗するほど上手になることを学びました。
勉強も同じですね。常にテストで100点満点を取れる人はいません。まちがえたことをしっかり考えて、次に失敗しないためにはどうしたら良いか。前向きにとらえる人は点数も伸びます。

七転び八起き。七回転んだって、最後は立ち上がるのです。皆さんも転んでも立ち上がる強い気持ちと、次にチャレンジする前向きな気持ちを常に持って、いろいろな課題に立ち向かってください。