1606271学期のうちに1年間の内容を進行する能開のゼミ。歴史がスタートした小学6年生の社会では、早や明治に突入しています。
改革の連続であった徳川幕府も諸外国からの開国要求に屈指、不平等条約を押し付けられました。輸出の急増はすぐさま、もの不足、物価の上昇を招き、民衆の怒りは打ち壊し、一揆へと向かいます。もう幕府は頼りにならないと尊皇攘夷の流れに向かいます。

経済がうまくいかないと一揆!この流れを小学生も理解するようです。
さて、授業中には時々凄まじい歴史好きの歴史小僧(ちょっと古いかなネーミング)が現れます。戦国時代などは彼らの独壇場!教科書や自由自在にも登場しない武将の名前がぼんぼんきかれます。(先生もややあせりながらの授業です)
でも、NHKの大河ドラマ(真田丸)を家でみている生徒は以前に比べかなり減ったように思われます。ぜひ、ご家族でみて欲しいです。

彼らの興味は授業前後を問わずのろしをあげます。
この間も授業後突然・・
ある生徒が、「先生、『古事記』って読んだことありますか?」私は『また唐突な』と思いつつい(全編にわたり読破したとは言えないか、入門編もふくめ2,3冊は読んでいるの)「あるよ」と答えると、「今度読んでみようかと思ってるんです。」
私の中では『ほー』『なんで・・古事記?』クラス全体もこの話しに参加したい様子なので、「みんなも知ってる話もあるね」「稲葉の白兎とか・・海幸山幸とか・・」
しかしほぼ全員が知らない顔で、これも困ったと、やや国作りの話から初めて
イザナミ、イザナギの名前を出すと、知ってる生徒続出。
『なんで???』と当惑顔の私を前に生徒らは得意満面。
きけは、出所はロールプレイングゲームとのこと。『ゲーム侮れん』
そのあと別の生徒が「先生、古事記と日本書紀はどう違うんですか?
『またハイレベな・・』
実に能開の授業は楽しいです。
歴史には多くの、その時代を代表する人物が登場します。
彼らの成し遂げたことだけでなく、胸ワクワクあるいは心臓飛び出しそうな冒険にあふれた人生を感じて欲しいと思っています。こんな人がいた、こんな人もいた。自分はどう生きるのか?それぞれの人生によって歴史も作られます。

さてさて長い前置きを書きました。
じつはこれからが本題。
ぜひ紹介した本があります。
「アルケミスト」 パウロ・コエーリョ
このタイトルの意味は、「錬金術師」このことばは漫画やこれまたゲームでもおなじみですね。世界1000万部の大ベストセラーだそうです。ご存知ですか?
私もだいぶ人生を重ねてから読みました。もっと早く読んでいればとも思いますが、
おじさんになっての出会いであっても感謝です。内容は、【羊使いのサンチャゴは、彼を待つ宝が隠されているという夢を信じ、アフリカの砂漠を越えピラミッドを目指す。様々な出会いと別れを経験し、少年は人生の知恵を学んでゆく】です。

その中の子供の頃に旅をしたかったパン屋の店主。
お金をためてアフリカへ旅することを考えていますが、まずはパン屋をはじめてお金を貯め、年をとってからと考えています。彼は羊飼いになって旅をしようと考えたことがあったけれど、パン屋のほうが立派な仕事だと思い、結局は旅には出なかった。自分がやりたいことよりも、人が自分をどう思うか。そう考えているうちに、いつの間にか自分のやりたいことを忘れてしまう。いや忘れようとしてしまったのですね。

サンチャゴは旅の果てに錬金術師と出会い、彼に試験を課されます。
この内容が秀逸です。本当の集中とは何かを教えてくれます。
物語の面白さ以上に、人生の指導書でもあります。

熊本に住んでいて地震を経験しました。不幸なこともいくつか見ましたが
人生にピリッとした気持ちを改めて持ちました。

生徒諸君!それぞれの人生に大いに冒険してほしいです。
人生には旅が必要です。この夏もどしどし、どこでも出かけてください。
多くの人と出会ってください。

「でも受験生だから・・」

何を言う!

受験合宿も旅ですよ!人生を知る冒険に満ちています。

(保護者の方にもお勧めします・・いや、受験合宿ではなくてアルケミスト)

160620先週、イチロー選手が日米通算4257安打を記録し、世界一になったと報じられました。イチロー選手は42歳。大リーグでも最年長の現役野手です。この年齢まで試合に出て活躍するために、おそらくイチロー選手は、厳しいトレーニングで自分を鍛え続けているはずです。

日本のプロ野球でも、40歳までプレイして、大記録を達成した選手がいました。名前は衣笠祥雄選手。今から30年ほど前に広島カープで活躍した内野手で、2,215試合連続という日本の連続出場試合数(世界第2位)の記録を持っています。ちなみに、連続試合フルイニング出場は、阪神の金本選手(1,492試合)が最多で、こちらは世界記録(ギネス記録)になっています。

衣笠選手は連続試合出場を続けている時、左肩を骨折するアクシデントに襲われたことがあります。普通の選手なら試合を欠場するところですが、衣笠選手は欠場せず、バッターボックスに立ちました。監督からは「バントでもいいぞ」と指示されていましたが、フルスイングで三球三振しました。鉄人衣笠のエピソードとして有名な話です。

「どんな時でも、投げてくる球をしっかり見据えて、フルスイングしないと何も残らない。
明日につながらないんです。人生だって同じかもしれませんね。」
衣笠選手はこのように語ったと言われています。

皆さんはどうでしょうか。1年は1日という時間の積み重ねですが、もし、宿題をサボったり、予習の手を抜いたりして、目の前の一日一日を全力で生きていないなら、明日につながることはありません。1年たって振り返ったときに、自分の成長を感じることはないでしょう。

1期ゼミも後半に入りました。ここからはぜひ能開の授業をフルスイングで受けてください。週1回の授業、与えられた宿題、次のゼミの予習、そういったものを大切にして、全力で取り組んで、次の夏休みを迎えてほしいと思います。明日につなげるために。

160613和田誠さんという日本を代表するイラストレーターがいます。最近、和田さんの息子でミュージシャンの和田唱さんが女優の上野樹里さんと結婚されたので、テレビで名前を目にした人も多いかもしれませんね。
和田誠さんといえば、タバコのパッケージや雑誌のデザイン、多くの作家の著書の装丁など、様々なお仕事をされていますが、色んな人の似顔絵を描いていることでも有名です。これがまた、何ともよく似ていて、一目で誰か分かります。緻密に描き込んでいるわけでもない、少ない線で描かれたシンプルな絵なのに、なぜこんなに似ているのか?
それは、その人の顔の特徴の中でも、一番重要なところを、ズバリ的確にとらえているからなのですね。目的とするものを表現するために、絶対に必要な部分と、省いても良い部分を見分ける力がひときわ優れているのでしょう。だから、一見簡単に見える絵なのに、とてもソックリな似顔絵になる。
 
この「要点をとらえる」ことって、勉強にもとても大切ですよね。みんながいつもやっているノートまとめも、授業での先生の話や参考書の内容を全部書くわけにいかない。その中で重要な部分がどこか、自分で判断して書いていかないと、後で見返した時に役に立つものにならないし、頭の中にきちんとインプットされないでしょう。また、テストでも、重要な部分を抜き出したり、要点をまとめる問題に出くわしたりもする。そんな時、素早く物事の要点をとらえる力が備わっていたら、普段の勉強だってテストの点数だって、ワンランクアップできると思いませんか?要点がとらえられれば、問題を解くスピードだって上がりますね。

ただし、たくさんの情報の中で、重要な所を過不足なく取り出して整理していく能力というのは、簡単に身につくものではなく、たくさん量をこなすことで鍛えられ、徐々に身につけていくものです。和田誠さんも、絵が好きで人の顔を描くのが楽しくて、たくさん描いたからこそ、要点を見抜く力が養われ、シンプルなのに味のある似顔絵が描けるのだと思います。
勉強だって、たくさんやった分だけ、要点をしっかりとらえられるようになり、いつでも自然に発揮できる力になっていくのです。

さあ、今年も夏がやってきます!みんなにはたっぷり時間があります。その時間を活用して、教室でも家でも、どんどん鉛筆を走らせてください。色んな問題に挑んだ分、量をこなした分、要点をとらえる力が鍛えられていくはず。そして、その力が、君たちの勉強の質を確かにアップさせていく武器となっていくはずです。

160606勉強もスポーツも、先生やコーチからのアドバイスで目覚しい成長を遂げることがあります。昨年、プロ野球で「トリプルスリー」を達成し、チームをリーグ優勝に導いた東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手もコーチのある指導によりその才能を開花させました。
「トリプルスリー」とは、「打率3割以上・ホームラン30本以上・盗塁30個以上」を同一シーズンで達成することで、打力、走力において極めて高い能力が求められます。日本のプロ野球での達成は実に13年ぶりのことで、「トリプルスリー」は昨年の流行語大賞にも選ばれました。

山田選手のブレイクは、杉村繁打撃コーチとの出会いがきっかけでした。
杉村コーチが練習でこだわったのは「ティーバッティング」です。通常のティーバッティングは、斜め前からトスされたボールを正面のネットに向かって打つだけですが、杉村コーチは「11種類のティーバッティング」を山田選手に課しました。
腰を低く落として打つ、一本足で打つ、ワンバウンドの球を打つ、左打ちで打つ、バランスボールに座って打つ・・・。11種類もあるので、当然練習時間は何倍にもなり大変ですが、山田選手と杉村コーチは妥協せず、試合前の練習で必ずこの11種類のティーバッティングを行っていきました。
「“正しいフォーム”を作っても、試合に出るとどうしても相手投手が繰り出す直球や変化でフォームが崩されるんです。だから試合前に必ずこのティーバッティングで“正しいフォーム”に戻してから試合に臨むようにしました。結局、ゲームの中で自分を助けてくれるのは“正しいフォーム”なんです」と杉村コーチは語ります。
この練習を取り入れた一昨年、山田選手はセ・リーグ右打者のシーズン最多安打を記録して大ブレイクし、昨年、遂にトリプルスリーを達成しました。11種類のティーバッティングはいまも継続して取り組んでいて、今シーズンの打撃も好調で、日本球界初の2年連続トリプルスリーも視界に入ってきました。

みなさんの日々の勉強においても、「正しいフォーム」を定期的に確認し、修正していくことが重要です。人の話をしっかり聞くこと、手を動かしてノートを書くこと、長時間の勉強に集中すること、テストにのぞむ姿勢。それらをしっかり再確認し、自分の頭と体にしみこませていく機会が「週1回のゼミ」です。
毎週のゼミで勉強の正しいフォームを再確認し、それからの1週間、学校や家庭での勉強、次のゼミに向けた予習に全力で取り組む。その学習サイクルを構築し、継続して取り組んでいくことで大きな成長を手にできるはずです。
EXオープンが終わりⅠ期ゼミも半分を過ぎました。学習内容が難しくなり、一番大変な時期ですが、そんな時だからこそ真剣勝負でゼミに臨み、正しい勉強の仕方をしっかり身につけていきましょう。