1学期のうちに1年間の内容を進行する能開のゼミ。歴史がスタートした小学6年生の社会では、早や明治に突入しています。
改革の連続であった徳川幕府も諸外国からの開国要求に屈指、不平等条約を押し付けられました。輸出の急増はすぐさま、もの不足、物価の上昇を招き、民衆の怒りは打ち壊し、一揆へと向かいます。もう幕府は頼りにならないと尊皇攘夷の流れに向かいます。
経済がうまくいかないと一揆!この流れを小学生も理解するようです。
さて、授業中には時々凄まじい歴史好きの歴史小僧(ちょっと古いかなネーミング)が現れます。戦国時代などは彼らの独壇場!教科書や自由自在にも登場しない武将の名前がぼんぼんきかれます。(先生もややあせりながらの授業です)
でも、NHKの大河ドラマ(真田丸)を家でみている生徒は以前に比べかなり減ったように思われます。ぜひ、ご家族でみて欲しいです。
彼らの興味は授業前後を問わずのろしをあげます。
この間も授業後突然・・
ある生徒が、「先生、『古事記』って読んだことありますか?」私は『また唐突な』と思いつつい(全編にわたり読破したとは言えないか、入門編もふくめ2,3冊は読んでいるの)「あるよ」と答えると、「今度読んでみようかと思ってるんです。」
私の中では『ほー』『なんで・・古事記?』クラス全体もこの話しに参加したい様子なので、「みんなも知ってる話もあるね」「稲葉の白兎とか・・海幸山幸とか・・」
しかしほぼ全員が知らない顔で、これも困ったと、やや国作りの話から初めて
イザナミ、イザナギの名前を出すと、知ってる生徒続出。
『なんで???』と当惑顔の私を前に生徒らは得意満面。
きけは、出所はロールプレイングゲームとのこと。『ゲーム侮れん』
そのあと別の生徒が「先生、古事記と日本書紀はどう違うんですか?
『またハイレベな・・』
実に能開の授業は楽しいです。
歴史には多くの、その時代を代表する人物が登場します。
彼らの成し遂げたことだけでなく、胸ワクワクあるいは心臓飛び出しそうな冒険にあふれた人生を感じて欲しいと思っています。こんな人がいた、こんな人もいた。自分はどう生きるのか?それぞれの人生によって歴史も作られます。
さてさて長い前置きを書きました。
じつはこれからが本題。
ぜひ紹介した本があります。
「アルケミスト」 パウロ・コエーリョ
このタイトルの意味は、「錬金術師」このことばは漫画やこれまたゲームでもおなじみですね。世界1000万部の大ベストセラーだそうです。ご存知ですか?
私もだいぶ人生を重ねてから読みました。もっと早く読んでいればとも思いますが、
おじさんになっての出会いであっても感謝です。内容は、【羊使いのサンチャゴは、彼を待つ宝が隠されているという夢を信じ、アフリカの砂漠を越えピラミッドを目指す。様々な出会いと別れを経験し、少年は人生の知恵を学んでゆく】です。
その中の子供の頃に旅をしたかったパン屋の店主。
お金をためてアフリカへ旅することを考えていますが、まずはパン屋をはじめてお金を貯め、年をとってからと考えています。彼は羊飼いになって旅をしようと考えたことがあったけれど、パン屋のほうが立派な仕事だと思い、結局は旅には出なかった。自分がやりたいことよりも、人が自分をどう思うか。そう考えているうちに、いつの間にか自分のやりたいことを忘れてしまう。いや忘れようとしてしまったのですね。
サンチャゴは旅の果てに錬金術師と出会い、彼に試験を課されます。
この内容が秀逸です。本当の集中とは何かを教えてくれます。
物語の面白さ以上に、人生の指導書でもあります。
熊本に住んでいて地震を経験しました。不幸なこともいくつか見ましたが
人生にピリッとした気持ちを改めて持ちました。
生徒諸君!それぞれの人生に大いに冒険してほしいです。
人生には旅が必要です。この夏もどしどし、どこでも出かけてください。
多くの人と出会ってください。
「でも受験生だから・・」
何を言う!
受験合宿も旅ですよ!人生を知る冒険に満ちています。
(保護者の方にもお勧めします・・いや、受験合宿ではなくてアルケミスト)