1603282016年と言えばオリンピックイヤー。様々なスポーツにおいて、国の代表選手が決まり、リオデジャネイロオリンピックへ向けて準備が進んでいるところですね。
少し前の話題にはなりますが、女子サッカーの日本代表「なでしこジャパン」が5大会中4大会出場しているオリンピックへの切符を逃しました。2011年にはW杯で優勝し、活躍が期待されただけに残念なニュースの1つでした。
その時に報じられるものは、「日本の力が弱まっている」とか「監督と選手の関係はうまくいっていたのか」など、だいたい自国の側から考えたものばかりでした。

今回、アジアから出場を決めたオーストラリア、中国の立場から考えてみると、なでしこジャパンはどのように映っていたのでしょうか。

どちらも強豪国ではありますが、最近の世界ランキングはオーストラリア9位、中国は17位で、4位の日本からすると下にいます。

今回の出場権をかけた争いの中で、日本は絶対に突破しなければならない相手だったはずです。「絶対に負けないぞ」という気持ちは、ひょっとしたらずっと上だったのかもしれないですね。その願いが現実となったわけです。

勝ちたいという気持ちを具体的に表現するのは、自らを鍛えることはもちろん、相手の想いや感情を考えてみることも大切だなと先生は感じました。
もし、中国やオーストラリアの選手たちが「絶対に勝ちたい」という気持ちで向かってくることをもっと理解できていれば、ひょっとしたら結果も変わっていた?かもしれません。

みなさんが、将来の夢を目指していくとき「何をどうすればよいのか」を考えますよね。
少し見方を変えて、「どんな人が求められているのか」を想像してみるとどうでしょうか。

・英語を使った職業に就きたい⇒どのように英語を使うことができればいいのか。
・人と接する仕事をしたい⇒どんな力をつけることが必要なのか。

立場を変えて見てみることで、今までになかった発想が出てきます。取り組むべき課題やこれからの具体的な行動もはっきりするはずです。
自らの夢の実現へ向けて、ぜひ考えてみてください。

160322もしみなさんが海外の人に日本の文化を紹介するとしたら、何を紹介しますか?
歌舞伎、アニメ、三味線、書道、サムライ、カラオケ…
日本には海外に誇れる文化がたくさんありますね。その中で、先生がもっとも素晴らしいと思うもの、それは「お弁当」です。

オーストラリアに留学をしていたころの話です。
ホームステイをしていた先生は、ホストマザーから昼食を作ってもらい、それを持っていくことにしていました。
緊張しつつ、初めての登校。先生が学習するクラスには、韓国やサウジアラビア、タイなどいろいろな国から生徒が集まっていました。英語を使う面白さを感じつつ、いよいよ楽しみにしていたランチの時間がやってきました。弁当箱を開けるとそこには・・・

レタスとトマトを野菜ではさんだものと、フルーツ。
「あれ?!これだけ??」と思ってしまったことを覚えています。

食べることが大好きな先生にとって、それはとても衝撃的な出来事でした。朝食や夕食はたくさんの量が出てきますので、おなかがすくということはありませんでしたが、日本のお弁当とは全然違ったことにとても驚きました。

帰ってきてから知ったのですが、日本のようなおかずがたくさん入っているお弁当は海外では珍しいとのこと。みなさんが学校へ持っていったり、お店で買ったりする弁当は、外国の人にとっては立派な「Japanese Culture(日本の文化)」なのです。

実は今、アメリカなどでは日本のお弁当が大ブームとなっているそうです。「Bento」(弁当)という言葉が出来ているほどです。
先生の将来の夢は、ホストファミリーにもう一度会いにいき、日本のお弁当を作ってあげることです。

みなさんもテレビやインターネットだけでなく、ぜひ自分の目や耳で海外の文化に触れてみてください。新しい発見やその時にしか感じることの出来ない新鮮な体験が、みなさんを待っていますよ。

160314「世界で一番高い山は?」と聞かれると何と答えますか。ほとんどの人が「エベレスト(チョモランマ)」と答えることでしょう。
標高8848mのエベレストは間違いなく世界最高峰の山でしょう。

しかし、ちょっと見方を変えて考えてみませんか。
地球の中心から一番離れている山はどの山なのでしょうか。
考えようによっては、地球の中心から一番離れている山が、世界で一番高い山ともいえるのではないでしょうか。

なぜ、このような考え方が出来るのか、それは、地球の形に原因があるのです。

みなさんは地球の形を知っていますか。
「球」、そうです「球」なのですが、厳密にいうと、きれいな球ではないのです。
地球の自転による遠心力によって、実際には赤道半径が極半径よりも長い楕円体なのです。
とはいっても、赤道半径6378kmに対し、極半径は6357kmなので、その差は21kmしかありません。
割合にすると、たったの0.3%の違いです。
しかし、大きな地球を基準としているので、その差はなんと21kmもあるのです。

この基準でいくと、世界最高峰の山は、南米エクアドルの赤道付近にある「チンボラソ」という山ということになります。
チンボラソは標高6310mの山です。
海面を基準とした標高ではエベレストには遠く及びませんが、実はこの山が世界で一番地球の中心から離れている山なのです。
ちなみに地球の中心からの距離は、エベレストが6382kmで、チンボラソが6384mで、チンボラソの方がエベレストよりも2km(2000m)高いということが出来ます。

なかなか面白いですね。

このように何を基準にするかによって、その答えも変わっていくのです。
みなさんも、いろいろな物の見方を学んで愉しんでみてください。

160307「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」…
ほかにも数々のアニメ映画を作り、日本だけでなく世界で愛され、
2014年にはアメリカのアカデミー賞を受賞した宮崎駿監督。
みなさんもその作品は観たことがあるでしょう。
では、その作品を作る現場は観たことがありますか。

宮崎監督がアニメ映画制作のために立ち上げたスタジオジブリでは、300人にも及ぶスタッフが1500を超えるカットを2年以上かけて完成させます。
宮崎監督の一番の仕事は、1カットごとの絵コンテ描くことです。
その仕事場で、監督が四六時中つぶやく言葉があります。

「面倒くさい」
「面倒くさいなぁ」
「究極に面倒くさい」
巨匠と呼ばれる名監督でも、面倒くさいものは面倒くさい。常にポジティブではないんですね。
みなさんも勉強や部活、習い事で面倒くさいと思いことはあるでしょう。
それでいいんだと思えてきます。

しかし、宮崎監督はこう続けます。
「世の中の大事なものって、たいてい面倒くさいんだよ。面倒くさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだ。」

絵コンテは、映画のもとになる下絵で、キャラクターの動きや表情、セリフや背景を細かく描いて、自分が表現したいことを大勢のスタッフに伝えるものです。
すべて無から生み出すアニメ映画では、草一本の表現、髪の毛一本の動きなど、些細なことでもうまく描かなければ、その世界を台無しにしてしまうのです。
自分自身が描く一本一本の大切さ、価値を理解しているからこそ、自分自身の折れそうな気持ちに負けずに続けていけるのです。

例えば、ノートに毎ページ日付とタイトルなんて面倒くさい、途中式なんて面倒くさい。
宿題なんて面倒くさい、辞書参考書を使うなんて面倒くさい。
それでもがんばる能開生のみなさんも「大事なことは面倒くさい」ということを理解している人なんだと思います。

「面倒くさい」と思う気持ちを否定せず、その裏にある価値や意味を考えてみてください。
それがわかれば、立ち向かえるはずです。