151130さぁ、いよいよ12月に入ります。
受験生の皆さんは追い込みの時期です。
今、君たちの心の中にはどんな風が吹いていますか?
柔らかい春のような風?
嵐のような強風?
追い風?向かい風?
今感じている風は、全員違うでしょう。

宿題が順調だったり、成績が伸びている実感があれば追い風を感じることでしょう。
公立模試や百戦錬磨など入試対策に日々悪戦苦闘していれば、感じる風は向かい風かもしれません。
また、君たちには応援してくれる家族や友人、もちろんティエラの先生たちといった力強い追い風も吹いているはずです。

でも、不安が大きくなったり勉強がつらくなったとき、周りのすべてが向かい風に感じることもあるでしょう。

そんな向かい風でも上手く利用して目的地に力強く進んでいく乗り物があります。

皆さんはヨットに乗ったことがありますか?
わずかな風しかなくても、たとえ強い向かい風の中でもヨットは目的地へ向けて力強く進んでいきます。
ヨットが向かい風の中を進む理論は飛行機と同じ揚力を利用します。帆を斜めに傾けて膨らませると、逆風でも膨らんだ方向に引っ張る揚力が生じるので、斜め前に進む。それを左右に繰り返すと、ジグザグながら前に進んでいきます。

少し難しい話ですが、ヨットは強い向かい風でも風の受け方を変えることで、ジグザグしながらも目的地へ向けて前進します。

追い風も向かい風も君たちしだい。気持ち1つ、風の受け方1つで流れは変化します。
何より風は自分で巻き起こせ、作り出せ。
ここからが正念場。君たちのもうひと頑張りに期待しています。
がんばれ受験生!

151124こんな話がある。

砂糖やジャムなどを入れる少し大きめのビンの容器がある。
ある先生が「このビンをできるだけ重くなるように身近にあるものを入れていっぱいになるようにしてください。」という問題を生徒に出した。
ある生徒は石を詰め込んだ。

先生は「それでいっぱいですか?」と尋ねた。

生徒は考えて小石を隙間に入れた。

先生はまた「それでいっぱいですか?」と尋ねた。

生徒は今度、砂を目一杯入れた。

先生はまたまた「それでいっぱいですか?」と尋ねた。

生徒はうなずいた。

先生はそこに水を流し込んだ。

水を入れる発想、なかなか出てこない。しかし、それが工夫というものだろう。
皆さんの状況に置き換えてみてください。
石を入れて「もうできた」と満足している人、石と小石を入れて満足している人、石と小石、砂までいられている人…。
そして、なかなか行きつかないかもしれないが石と小石、そして砂、その上に水までいられている人。
詰め込むことが大事ことではなく、もう一歩の工夫で水まで入れられるような人が大きな成果を出すのだと思う。

もうすぐ冬期講習会。改めて自分の状況を見返し、もうひとがんばりしてみたら見る世界が変わるかもしれない。

15111611月11日、日本の空に、戦後として初めて国産ジェット旅客機が飛びました。

皆さんの中には知らない人がいるかもしれませんが、日本に国産のジェット旅客機は存在していませんでした。(※) 自動車やコンピュータ、バイオ技術など、日本の科学技術は世界の最先端を進んでいますが、航空産業だけは大きく遅れていたのです。

その理由は、第2次世界大戦にあります。戦時中に日本が開発した戦闘機「ゼロ戦」が非常に高性能だったため、終戦後に日本にやってきたGHQ(連合国軍総司令部)は、戦闘機開発の復活を恐れて、航空機の生産、研究、実験を禁止。模型飛行機を作ることさえ許されませんでした。ちなみに第2次世界大戦中にゼロ戦を設計したのが、三菱重工のエンジニアだった堀越二郎さんで、宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」のモデルとなった人物です。

技術の継承というのはとても大切で、いったんそれが途切れてしまうと、取り戻すために膨大な時間と労力がかかります。開発を禁じられた日本の航空産業は暗黒の時代に入りました。その封印が解かれたのは1962年。ようやく国産のプロペラ機が開発され、「YS-11」が初飛行を果たしました。YS-11は182機が製造され、75機が海外に輸出されましたが、コストやサービス体制の問題があり、10年後の1973年には製造中止となりました。

YS-11の製造中止からさらに42年後、今月の11日に初飛行を果たしたのは、三菱製のジェット機で90人乗りの「MRJ」です。環境性能にも優れ、燃費の良さと客室の快適さが特徴です。メイドインジャパンのMRJは世界中から注目されており、既に400機以上の注文を受けているそうです。一般的に自動車の製造には2万~3万点の部品が必要ですが、航空機の場合は数百万点といわれ、それを国内で製造することで、日本の製造業の技術力を高めたり、裾野を広げることが期待されています。

MRJの1号機は2017年にANAに引き渡される予定で、日本の地方路線で就航するそうです。これからが本当に楽しみですね。

※ホンダは、6人乗りのビジネス用小型ジェット機を2003年に初飛行。2015年中には運用が開始される予定

151109何年か前のことです。先生は一人の女の子を担当しました。
中3の生徒です。その子は、本当に勉強が嫌いで、嫌いで仕方なくて、数学も英語も社会も理科も唯一自信のあった国語もほとんど勉強してくれませんでした。
理由は、私は勉強が出来ないからやっても意味ないから。

彼女はA高校を志望校にして授業に来ていましたが、いつも授業の半分は愚痴でした。「こんなん私解けへんし」「分数あかんねん、出来ひん」「いや、もう無理やわ」そんなことを言いつつも問題を解いていきます。
ただ、そんな気持ちではやはり成績は伸びないですよね。2学期の終わりに志望校は諦めて、B高校に下げました。その時、二人で話し合って、公立高校にこだわるなら下げるしかないとなったのです。
A高校にいけると理由もなく思っていたのかもしれません。とても落ち込んでいました。本当に残念だとは思いますが、勉強していなかった事実はひっくり返りません。私は、今のままなら合格は出来ないから絶対にA高校受けられない、とも言ったように思います。

その辺りからですかね、彼女が少しだけ変わりました。愚痴や文句が減りました。宿題をちゃんと出されたものは全部やってきました。わからない問題は私や他の先生に聞く姿も見られました。やる気になったかどうかはわかりませんでした。
なにせ12月の講習会、1月私立受験とありましたから、勉強をしていて当たり前という空気だったので、その雰囲気の中で自分もちょっとやらないといけないと思っているだけかもしれない、とも見えたからです。

そんな彼女は、とんでもない行動に出ました。忘れもしません、2月の志願変更の初日です。
その日の授業のときに彼女が、スキップせんばかりに上機嫌で教室にやってきました。そして、満面の笑みで一言。
「先生!私なぁ、A高校受けるわ!」
そこにいた私を含め先生たち全員が驚きました。そして誰もが脳裏をよぎりました。「絶対落ちる」と。ただ、彼女は前向きでした。
「やっぱりA高校受けたい。合格できるかわからんけど、受けときたい。それで落ちても後悔せん」
彼女の覚悟は出来ていました。とても悩んですごく考えて出した結論です。彼女の目の色が違いました。

そこから彼女の快進撃?が始まりました。公立入試まであと3週間。入試用の分厚い問題冊子を2週間で解きました。間違いだらけです。直しもします。残り1週間は過去問題をひたすら解きました。一にも二にも足りないのは基礎学力でしたから、とにかく基本の問題を反復練習です。今までにないくらいに勉強していました。高校合格したいという気持ちの表れだと私は感じました。

試験当日、自信を持って受けておいで、と送り出しました。ただ、彼女には言いませんでしたが、当時の彼女の実力では合格には届いていませんでした。奇跡が起きても合格は出来ないのです。かわいそうだと思いますか?それでも彼女はA高校を受けたことは一切後悔していませんでした。帰ってきて「頑張れた!A高校で受験できてよかった!」とやりきった顔で私に報告してくれました。

結果は、いわずもがな…………と思うでしょ?
彼女は、なんと合格したのです。合格できたのです!
雨の降る中、合格発表の掲示板には彼女の受験番号がしっかり書かれていました。
何が起きたのかはじめはわかりませんでした。でも彼女が泣いているのを見て、あぁ合格したんだなと実感しました。
もっと早くしていれば、こんなことにはならなかったかもしれません。もっと早く意識を変えていれば、他の高校に合格できたかもしれません。

ただ、あの時、志望校を変えて出願して、覚悟を決めたとき、彼女は初めて本気になったんだと思います。人間の本気はすさまじい威力になると私は知りました。合格できるかどうかわからない状態で、頑張るのは怖いことだと思います。だけど、彼女はやりきりました。
理由は、後悔したくないから。

たったそれだけでしたが、十分な動機です。「出来ひん」「もう無理」こういう言葉は一切出てこなくなりました。合格できたのは、本当に奇跡と言っていいと思います。でも、たとえ不合格でも彼女は、後悔はしなかったと思います。悔しくて泣いたかも知れませんが、やり切った顔をしてくれたと思います。
だから、皆さんも後悔だけはしないでください。やりたいことや、やろうと思うことがあったら、覚悟を決めて、本気で取り組んでください。今回は受験の話でしたが、受験以外でもそうです。そうすることで、人は大きく成長できるし、その力は周囲の人も変えていきます。

そう、運ですらこちらに引き寄せるんですよ。受験当日、彼女の受けた高校で一人欠席が出ました。
つまり、その子が休んでいなかったら、彼女は不合格だったかもしれないのです。運良すぎ、と思いましたが、それは彼女が合格したいという執念で引き寄せたのかもしれないなぁと今でも私は思います。

151102夜空を見るとたくさんの星が見えます。
一番に目に入るのはきっと明るく光る星でしょう。
一番光って見えるのは一等星、次に二等星、三等星と順に暗くなっていきます。
でも、それは地球から見た明るさなのを知っていますか?
地球に近い星ほど明るく見え、地球から遠い星ほど暗く見えます。
本来の星の明るさではなく、距離に比例して明るさが変わるのです。

皆さんの夢や目標も同じではないでしょうか?
近い将来の目標ははっきりと明確に見ることができます。
でもそれは欲求かもしれません。
実は自分の中で一番に輝いている夢は遠くにあるので、今の自分には暗く見えているのかもしれませんね。
近くの光に飛びつくことは本能でできます。
遠くの光を追いかけることは理性を持って我慢が必要です。
自分が本当に追いかけたいものはなんでしょう?

もちろん自分の本当の目標に向かうために近くの光を追いかけることも必要です。
一度自分の中身をよく見てみてください。
今は光って見えなくても一番輝いている星はありませんか?