140825こんにちは。夏休みももう終わろうとしていますが、自由研究などは進んでいますか?
さて、今日は「メビウスの輪」について話をします。
知らない人のために簡単に説明しておくと、長方形の細長い紙を180度ねじって、両端を貼り合わせたものです。数学者アウグスト・フェルディナント・メビウスが発見し、その名前の由来になりました。
この輪には、表と裏がありません。つないだ輪の外側をずっとなぞっていくと、いつの間にか裏側になっています。最近では見なくなりましたが、カセットテープなどに利用されてきました。
 
この「メビウスの輪」ですが、不思議がいっぱいなんです。
みなさんは、この輪の中心(輪の幅のちょうど真ん中)をはさみで切っていくとどうなると思いますか?180度のひねりをつけずに、つなげた長方形の輪であれば2つの輪に分かれますね。メビウスの輪の場合は、ちょうど切り終わると、元の輪の倍の大きさの輪が1つできます。
さらに、メビウスの輪の幅の3分の1のところを切り続けていくとどうなるのでしょうか?1周した段階では、180度ひねっていますので、切れ目がずれます。そして更に1周切り進めて行くと、ちょうどきり終わります。さて、どうなるでしょう。
実は2つの輪ができます。1つは元のメビウスの輪と同じ大きさの輪。もう1つは元の輪の倍の大きさの輪です。しかもこの2つの輪は交差して繋がっているんですね。
他にもねじりを360度、540度としてみたり、切り始める位置を変えたりして、いろいろと実験することができます。

さて、みなさんどうですか?上の結果は想像できましたか?

私たちは何気なく暮らしている中で、自分の今までの経験から「限界」を作ってしまいがちですが、思ったことと違う結果になることもあります。

「こんなことはできない。」「やらなくてもわかる。」

果たして本当でしょうか?
今まで大きな世界で成功してきた人の多くは口をそろえて「やったか、やらなかっただけの違いだ。」と言っていますね。皆さんには自分でも気付いていない大きな力があります。誰しもにあります。
だからこそ、先ずは「やってみる。」ことに大きな価値があり、その先には自分の想像もしえない「達成感」が待っていることでしょう。

2次講習会が行われているところも多いかと思いますが、宿題の多さを嘆く前に、まずはやってみる。問題が難しくて、難しいと愚痴をこぼす前に参考書を開いてみる。そういったことの積み重ねた結果、講習会が終わる頃には、誰のものでもない、とっておきの自分専用の参考書が出来上がっているはずです。

「自分に限界はない!」といった意気込みで残り少ない夏を精一杯、乗り切ってください。

140818先日、高校のときの同窓会があり、久しぶりに地元の友達と会ってきました。
これは、そのときに友達から聞いた、ある人のお話です。

その人には中学生の娘さんがいます。その子は幼いときに病気を患い、車イスがないと生活が出来ないのです。
ある日、病院に行ったときのことです。普通であればお父さんがいつも送り迎えをしてくれるのですが、その日は出張だったので、仕方なくバスで行ったそうです。その帰りでの出来事。

その日のバスは、座れないほどではないのですが、乗客が多かったそうです。娘さんは、当然車イスでしたから優先席のほうへ行き、座席に移動したのです。
車イスから移ったり車イスをたたんだりするので時間がかかるのですが、その間バスは停まって待ってくれていました。そして、お母さんは車イスがありますから、人の邪魔にならないように出来るだけ端に寄って立っていました。

いざバスが動き出すと、後ろのほうに座っている女性二人組のお客さんから、次のような会話が聞こえてきたそうです。
「迷惑よねえ。こっちも急いでいるのに。」
「ホント。車で行けばいいのにさ。じゃなかったらタクシーがあるのに。」
「まわりの迷惑を考えないのかしら。」
お母さんも申し訳なく思っているのです。バスに乗るときに、わざわざ「すみません」と皆に言って乗っているのですから。

しかし、容赦のない言葉に娘さんもその場に居づらくなり、
「お母さん、降りよう。」と涙目で訴えてきたそうです。
お母さんも、悔しさと悲しさで居づらくなり、次で降りようと降車ボタンを押そうとしました。
すると、バスは信号待ちでもないのに停車し車内放送が入りました。
「お客さん、申し訳ないんだがここで降りてください。」と。

その親子は、
「本当にすみません。今すぐ降ります。」といい、降りる準備を始めたのですが、
「いやいや、お母さんたちではないですよ。その後ろのお二方です。人に迷惑をかけるような方のご乗車はご遠慮いただいています。ここで降りてください。」
二人の女性客は、何かと言い返したのですが、運転手さんはガンとして聞き入れず、結果として女性客二人はその親子をにらみつけながら降りていったそうです。

親子が目的地で降りるときには、周りのお客さんが手伝ってくれたそうです。
親子は何度もお礼を言いましたが、運転手さんは、
「嫌な思いをさせて申し訳ありませんでした。お大事にね。」
と逆に謝られたそうです。
二人は感謝の気持ちでいっぱいで、涙がでてきたそうです。

この話しを聞いたとき、先生は「この運転手さんスゴイ!」と思ったのと同時に、「自分に出来るだろうか?」と深く考えさせられました。頭ではわかっていても行動にまで起こす勇気はないかもしれないなと、反省しました。
今の世の中、逆ギレされて自分に被害が及ぶこともありますから、一概には言えないかもしれません。しかし、皆さんにはこの運転手さんのように、弱者の立場になって物事を考え、勇気をもって行動できる大人になって欲しい、と思っています。

140811毎年8月14日が近づくと、必ず思い出すことがあります。
それは先生が初めて海外に行った時のことです。

先生は大学の留学プログラムを利用して20歳の8月14日にアメリカに行きました。アメリカは日本の国土の約26倍。国内は飛行機で移動するのが当たり前の国です。
先生が目指す大学はアメリカ中部にあり、成田空港を出発した後、一度アメリカのシカゴ・オヘア空港というところで飛行機を乗り換えなければいけませんでした。
シカゴのオヘア空港には次の飛行機が出発する3時間ほど前に到着していましたが、飛行機を降りると入国審査を待つ人たちで長蛇の列。入国審査を通過するのに2時間くらいかかりました。
待っている間も乗り換え時間のことばかり考えてしまい、不安で仕方がありませんでした。

結局、その先の税関を通過した時には次の飛行機の出発時間まで1時間をきっていたため、急いで次のゲートに向かいました。しかし、空港が広すぎて自分が次にどこへ向えばよいのかわかりません。まるで迷子になった気分で近くにいる人に自分のチケットを見せては道を聞き、空港内をぐるぐる歩き回りました。
出発ゲートに到着したときには予約していた飛行機は既に飛び立っていました。自分の無能さに嫌気が差し、飛行機のチケットも買いかえなければいけないな…と諦めつつ、航空会社の人に話をすると、即答で「次の便に乗るといいわよ!」と言われ、新しいチケットを手渡されました。何だかバスのチケットでも予約していた感覚でした。
さすが飛行機社会のアメリカだなと感心するとともに、経験がないとちょっとしたことでも悩んでしまうのだな…と感じました。

自分が行ったことがない場所へ行ったり初めてのことに挑戦すると、多少は焦ったり居心地が悪く感じたりします。しかし、新しい場所へ行けば必ず楽しいことや新しい出会いが待っています。多少の不安や居心地の悪さを理由に、心地よい場所に居つづけていても成長はありません。
人は経験を積むことによって心に余裕が生まれ、さらに行動的になれると思います。勇気を出し前に進まなければいつまでも弱い自分のままです。

若いうちに色々な経験を積んで、心に余裕を持った強い人になっていきたいですね。

140804一昨年、東北地方を襲った東日本大震災による甚大な被害を受けてから、原子力発電に対する考え方が大きく変わりました。
結論からいえば、まだ人類が手を出してはいけない領域だったのではないでしょうか。
現在では、原子力に変わる様々な発電方法【再生可能エネルギー】が検討されていますが、必要とされる電力を安定して供給できる手段はまだ確立できていないのが実情で、原発再稼動に向けて着々と準備が進んでいます。

おなじ原子力を使うのですが、まったく新しい研究も進んでいます。
『核分裂は制御できないが、核融合は制御できる』まったく発想の異なる、安全な原子力エネルギーがあるのです。九州地区のみなさんは実際に見学した人もいると思いますが、今注目を集めているのは『核融合プラズマ発電』です。
九州大学を見学した際には100年先のエネルギーだと聞いたのですが、2019年の運転開始を目標に、今年の1月に核融合実験装置の建設がスタートしました。この発電は核物質を必要としません。およそ150トンの海水から、日本の全人口が1年間に消費する電力を作り出すことができるのです。
莫大な予算や難しい技術など解決しなければならない課題はありますが、普通の海水から電力を得られる。これが実現したら、エネルギー問題は一気に解決です。

先生が子どものころ、一人ひとりが電話を持って通話したり、タブレット端末を見ながら授業を受けたりすることは、まったく考えられませんでした。こういった新しい道具や、先に話した新しい発電方法などは、何もない中から発想する力が不可欠だし、そういった人材がたくさん必要になります。

みなさんには勉強を通して、そういった力をつけていってほしいのです。世界中の多くの国で電力の心配がなくなる未来を想像したとき、なんだかワクワクしてきませんか。世界がひとつになって宇宙に飛び出す時代がくるかもしれません。

みなさんには、そういった新しい社会の中心にいてほしいと願うばかりです。