昨夜、家に帰ると庭の木にセミの幼虫を発見しました。
セミの脱殻ではなくセミの幼虫、そう動いているのです。羽化する前のセミの幼虫を見るのは先生も初めてで、30分ほど観察してしまいました。
セミの幼虫は一生懸命、上へ上へと登っていきます。まるで土の中での今までの生活を振り返るように一歩一歩ゆっくりと。
今朝、その幼虫は無事に脱殻になっていました。一晩かけて立派な成虫になったのでしょう。もしかすると今、先生の頭の上で鳴いているセミが、この脱殻の主かもしれないと考えると、なんだか嬉しくなってきました。
セミは種類によっては地下で17年間も生活します(アブラゼミは6年)。その間、長い口を木の根にさしこみ、道管より樹液を吸って成長します。もちろん安全な生活ではありません。地下といってもモグラ、ケラなどの天敵がいます。
中には菌類に冒されて死ぬ幼虫もいるそうです。そんな苦労を乗り越えて、ようやく日の当たる地上の世界に出てきても苦労は絶えません。成虫にもクモ、カマキリ、鳥などの天敵がいます。
しかも、寿命は残り1ヶ月(成虫期間は1・2週間ほどとよく聞きますが、これは成虫の飼育が難しくすぐ死んでしまうことからきた俗説です)。
この期間に子孫を残すために、オスのセミはパートナーとなるメスのセミを探します。1ヶ月以内に『お嫁さん』を見つける確率は何と60%。4割のオスのセミは子孫を残すことなく死んでしまいます。何とも辛い「人生」、いや「セミ生」ですね。
君たちをセミに例えると、今は幼虫期となります。学生時代を幼虫期とするならば、幼虫の期間はおよそ20年。そして、その後の人生は平均寿命で考えても60年以上あります。本当に幸せですね、その長い成虫期間(大人の期間)を充実した日々にするためには、やはり今が大切です。
何事にも本気で取り組み、しっかり成長していきましょう。
この夏休み、懸命に生きているセミに負けるな!