「加圧トレーニング」ってどんなトレーニングだと思いますか?
初めてこの言葉を耳だけで聞いた時、カタカナの「カーツ」だと思いました。「カーツ」というトレーニング方法の名前だと思っていました。きちんと確認してみると、圧力を加えるという意味で、「加圧」という漢字で書くのだと分かりました。
このトレーニングは、普通にトレーニングするよりも、もっと圧力や負担をかけて行います。ですので、普通に行う以上に、きつかったり、大変だったりします。ある制限を付け、負担をかけてトレーニングするので、軽い力でも大きな力をかけた時と同じくらい筋力が鍛えられます。おまけに成長するための情報となる成長ホルモンが、普通の10倍も体の各器官に届きます。マラソン選手が酸素の少ないところでトレーニングを行ったり、運動選手がおもりをつけて素振りをしたり、似たようなトレーニングは他にも色々あります。運動部に入っている人の中には、「やったことがある!」という人がいると思います。
このトレーニングのいい点は、短期間・短時間で力をつけられるということです。普通に行うよりもたくさんの力がいるので、またあえて苦しい状況の中で行うので、短期間でかなりの力をつけることができます。速読を行っている人も、似たような経験・効果を実感していると思います。自分が読める3倍ものスピードで読むことで、いつのまにか読むスピードが引き上げられていきますね。
この夏の講習会や合宿も、そういったトレーニングです。普段はできない圧力や負担をかけて行うトレーニングです。普段なら1週間後の授業までに進めればよい宿題は、講習会だと翌日までに普段以上の量を進めます。合宿では、自由に休憩が取れないという制限の中で、集中力を持続させます。いつも以上の量、いつも以上の勉強時間、これまでにやったことのない量、これまでにやったことのない勉強時間。その中で勉強量が増え、忍耐力がつき、集中力がつきます。勉強を進める上での筋肉が一気につけられます。成長するための情報は、みなさんの心からも意識として伝えられます。姿勢を保つようにと、背中へ。素早く動かすように、と鉛筆を持つ手へ。文字を注意深く追いかけるように、と参考書を見る目や脳へ。
夏につけた力を持続させるには、その後も自分で自分に圧力や負担をかけることです。力がついても楽をしてしまえば、その力は消えていきます。演習をいつもより短い時間で解くことや、宿題が早く終えられるようになった分、何かプラスしてできることをやってみる。自分をちょっと苦しい状況に置いてみる。自分にちょっと課題を多く与えてみる。そうして、常に成長する自分を、夏が過ぎても発見してほしいと思います。