みなさんが能開に通う理由はなんですか?「志望校に合格したいから」「友達が通っているから」「親に言われたから」「能開が好きだから」様々な理由があるでしょう。それか一つではなく二つ三つ理由を挙げられるかもしれません。
 何年か前に生徒に聞いてみたところ、「志望校に合格したいから」の理由が最も多かったことを覚えています。
 では、なぜ志望校に合格したいのでしょうか?
 「そこでしか学べないことがあるから?」「入りたい部活があるから?」「家から近いから?」「カッコイイから?」「進学実績がいいから?」「校風に憧れるから?」「友達が行くから?」「親に言われているから?」
 これも同じく様々な理由があると思います。(決してこの理由でなくてはダメ!というのはありません。)
 ただし「なんとなく」だけはいけません。努力し続けるには根気が必要です。その努力を支えるには明確な理由が必要です。
 先生が皆さんに伝えたいことは、なぜ志望するのかを明確にして欲しいということです。
 なんとなくではなく「東京大学理Ⅲに行くにはこの高校しかない!」「野球部に入って甲子園目指す!」「TOP校に入って友人の○○君にドヤ顔をする!」と具体的に決めて下さい。
 まだ決められないよという生徒はその高校の情報を集めると良いと思います。
 その高校に通う先輩の話を聞く。その高校の進学実績を把握する。その高校はどの部活が強いのか調べる…視野を広げれば多くの情報が転がっているはずです。
 明確な目標は、努力し続ける皆さんの支えとなります。
 この夏の講習会、合宿は明確な目標に近づくものにして下さい。

 夏休みが近づいてきましたね。

 私の学生時代は、残念ながら毎日毎日一生懸命に勉強してきたわけではありません。だから毎週教室に来るみんなの顔を見たり、他の先生たちからみんなの話を聞いたりして「能開の生徒たちはすごいな」といつも思っています。
 
 優等生ではなくても、大学を卒業するためには卒業論文を書かなくてはいけませんでした。書くにあたって、まずはテーマを何にしようかと考えました。別のゼミにいた友だちに話を聞くと、すでにテーマがいくつか決まっていてその中から選ぶという、うらやましいゼミもありました。(しかしそのゼミは普段はとっても厳しいところでした。)
 しかし、私が所属していたゼミの先生はそんな親切なことはしてくれません。それまで先生の部屋に一人でたずねていくと、“これから社会に出て生きるとは”という説教を必ずされましたからね。どれだけ手のかかる学生だったかが、わかるでしょう。ギリギリまで悩んだ挙句に持っていったテーマは、「学生の逸脱行動」について調べるものでした。当時は、大学に置いてある傘や自転車をとっていく(無断で借りていく)ということが日常的に起こっていたからです。なぜそんなことをするのだろう?

 先生にテーマを伝える時は、ドキドキしました。友だちに協力してもらい、なるべくたくさんの人のアンケートをとって調査することは決めていましたが、それからどうすればよいかわからなかったことや、テーマそのものを認めてもらえないのではないかと思ったからです。しかし先生はテーマを選んだ理由を聞いて言ってくれました。「そう。身近なことから問題意識が出てくるものよ。」と。ほめられたわけではありませんが、とてもうれしかったことは覚えています。
 そこからは、かなり時間がかかりました。アンケートを友だちや後輩やアルバイト仲間に依頼をかけ、できるだけ多く回収して、集計して、コンピューターに打ち込んで、ということを一人でやらなければいけないので、当然時間はかかります。でもとても楽しかった。自分が今やっていることは、与えられた勉強ではなくて、「自分で」調べて、その結果をもとに「自分で」なぜこうなるのかを頭をひねって考えて言葉にすること。苦しい時間でしたが、同時にわくわくするような愉しい時間でもありました。

 卒業論文に近いのは、みんなにとっては「自由研究」でしょうか。講習会の宿題でわからないところを調べるのもそうですね。今度の夏期講習では、自分が“なぜ”と思ったことやわからないことを調べる愉しさ(たのしさ)をぜひ体験してもらいたいと思います。たとえそれがテストの問題には出なくても、その愉しさをきっとずっと覚えているでしょう。

みなさんはテストが好きですか?
大好き!と答える人はなかなかいないと思います。自信があってもなくても結果がでてしまいますからね。それでは、なぜテストをするのでしょうか?

先生は能開の先生になる前に、ある会社で車の運転席、助手席の前についているCDやラジオ(カーオーディオと言います)を作っていました。本体や部品ではなく、その機械のもっと中にあって指令を出す、システム開発を担当していました。システムがなければ機械はただの箱です。何かボタンを押すと、音量が変わったり、次の曲へ行ったり、早送り、巻き戻し、CDを取り出すなどあらゆる指令をだすメインシステムの開発です。先生はそのプログラムを作っていました。
プログラムを作る仕事はとても楽しかったのですが、製品を作って世の中に売り出すためには必ず乗り越えなければいけない試練がありました。それがテストです。
製品を作る会社には必ずと言っていいほど、テストを専門にしている部署があります。そこでは、作られた製品をあらゆる方法でテストしていきます。CDを裏返しで入れてしまったらどうなるか?1曲も入っていないCDを再生しようとしたらどうなるか?CDと間違ってDVDをいれてしまった場合どうなるか?など本当にいろいろなことを確認します。
そしてダメな部分を指摘されます。指摘箇所を修正する。を繰り返して完璧な状態に作りこんでいくのです。テストをすることでより自分の製品の質が高まっていと実感していました。

さて、みなさんが普段能開で受けているテストも似ていると思いませんか?みなさんを製品と例えるのは失礼かもしれませんが、まだまだ質が上がる可能性があるので、テストをして、指摘を受けて、指摘箇所を修正する。それを繰り返す。するとより質が高まっていく。こう考えると、テストをする理由は同じですよね。
テストは指摘をもらえる機会と考えれば、テストはみなさんの質を上げるチャンスです。指摘をもらったときは落ち込むこともあるかもしれません。先生もそうでしたから(笑)。でもこれを乗り越えるともっと良い自分に出会える、と考えてみてはどうでしょうか。きっと普段のテストにも、テスト結果の受け止め方も変わってくると思いますよ!みなさんは、将来世の中に出る立派な製品?にならなければいけないのですから。

さあ今日もみなさんに指摘するためのテストをしますよ!

先日、石川県出身の松井秀喜氏が国民栄誉賞を受賞しました。地元の出身者が国民栄誉賞に選ばれることは大変うれしいことです。先生も自分のことのように喜びました。
ところで君たちは「松井秀喜氏」を知っていますか?地元の人であれば当然知っているかと思いますが簡単にプロフィールを紹介したいと思います。
生まれは石川県能美郡の根上町です。いちやく注目を浴びるようになったのは星稜高校時代です。その豪快なバッティングから「ゴジラ」と呼ばれていました。甲子園でもホームランを量産しました。チームの4番打者として1年生のときからレギュラーでした。高校時代に有名だったのは高校3年生の夏の甲子園でも5打席連続敬遠。これは現在も高校野球界には語り継がれています。そしてプロ野球としても読売ジャイアンツでホームラン王、打点王の2冠を獲得するなどの活躍、そして大リーグでもヤンキースでもMVPの獲得など、野球人としての活躍はめざましいものがありました。
ただ、彼が今回国民栄誉賞を獲得できたのは単純に野球で実績を残したからというだけではないはずです。彼の「人間性」にあったと思います。
1つは「努力する才能」です。日本のプロ野球時代の長島さんとの練習後の部屋での素振り練習は有名です。正規の練習だけではなく、少しでもうまくなりたいということで誰よりも努力をおしまない、そんな姿勢があると思います。もう1つは「謙虚な心」です。引退会見での言葉の中で印象に残ったのは
「名監督ばかりに導かれた選手生活だった。感謝を込め、まずは監督について話したい」というコメントです。自分の力ではなく色々な人に支えられてこそできたことだと謙虚な心が表れていると思います。謙虚な心があったからこそ、色々なことを素直に吸収できたのだと思います。またイベントがあっても途中で帰ることなく最後までつきあう部分や、マスコミに対しての対応もすごくよいという評判でした。そんな人間性の部分も認められて今回の国民栄誉賞につながったのではないかと思います。

君たちも今は将来の夢に向かって頑張っていると思います。能開に通っている君たちは確かに勉強はできると思います。しかし、ただ勉強ができるだけの人間になっていませんか?
勉強ができるだけではなく、「人間性」も必要ではないでしょうか?
そのためにあるのが能開会員の「16の決まり」です。(一部抜粋)
1、 あいさつは元気よくすること
2、 遅刻しないこと
3、 遅刻・欠席の場合は必ず連絡を入れること
10、授業中の聴く態度がしっかりとできるように
12、先生達への言葉遣いに注意する
15、ほかの人の迷惑となるようなことはしないこと

一部ですが、当たり前のことですよね?「人に出会ったときにあいさつをしない」、ありえないですよね。「約束ごとに遅れるとき、行けなくなったときには必ず相手に連絡を入れる」「人の話をしっかりと聴く」「目上の人に対しては敬語を使う」「他の人の迷惑となるようなことはしない」どれも当たり前のことです。能開会員の「16の決まり」は何も特別なことをルールとしているのではありません。社会に出てしっかりと通用していく人間になるために、「人間性」を身につけていくために必須のものです。約1年前に「16の決まり」が配られたと思いますが、今一度初心に返って「16の決まり」を意識して行動していきましょう。日々実行していくことで習慣化されます。君たちも松井秀喜氏のように「野球(勉強)ができるだけではなく、人間性を備えた人」になっていきましょう。