いよいよ大切な夏休みがやってきました。
それぞれが大きな目標を掲げ、様々な学習計画を立てていることでしょう。

君たちは夏期講習会や夏合宿に参加することで何を目指しているのでしょうか。
例えば、「自分の」成績を上げるため、「自分が」志望校に合格する力をつけるため、「自分が」精神的にも肉体的にも一回り大きく成長するため、などがあるでしょうか。

確かに、君たちは誰のためでもなく、「自分のため」に、「自分の未来のため」にと思って、色々なことに挑戦し、日々がんばっているのでしょう。しかし、君たちがまっすぐな気持ちでがんばる姿は、もっと大きな力を持っています。

君たちが良い成績を取ったり、志望校合格を勝ち取ったりしてくれたとき、確かに先生たちはうれしく思います。でもそれは、成績を上げたい、合格したい、そんな強い思いを持ってひたむきにがんばっている姿を見ていたからこそ湧いてくる喜びです。たいして努力もしていないのに、単に成績だけ良くても、先生たちは何も感動しません。

君たちの家族も同じ気持ちだと思います。
今、君たちの家族を頭の中に思い浮かべてみてください。どんな顔が思い浮かびましたか。怒っている顔ですか。悲しんでいる顔ですか。どうせなら幸せな笑顔でいてもらいたいですね。君たちが嫌な勉強から逃げ出さずに、熱心に宿題に取り組んでいる姿は、身近な家族の人にも大きな感動を与えます。

君たちが趣味や娯楽に目もくれず、ひたすら机に立ち向かっている姿を家族が見れば、どんなに辛いことがあったとしても、家族は、幸せな気持ちの中にいることができます。君たちのがんばりは、そんな大きな力を秘めているのです。少なくとも先生たちは、君たちが時間をかけ苦労して作り上げてくれたノートを見るだけで、幸せな気持ちになることができます。

大切な夏休み。
夏期講習会の期間中は、勉強に全身全霊を傾けている姿を家族に見てもらいましょう。夏の合宿から帰ってきた時には、大きくたくましくなった姿を見てもらいましょう。いつも君たちの身近にいて、応援してくれる大切な家族や友人たちに、幸せな気持ちになってもらう、そんな小さな「幸せの輪」を、この夏、君たち一人ひとりが広げていってくれればうれしく思います。

【鶏口牛後 〜鶏口となるも牛後となることなかれ〜】

<意味>大きな集団の尻についているより小さな集団のトップになったほうが良い。
鶏口→鶏の口;鶏は小さいことのたとえであり、口は先頭(トップ)のこと
牛後→牛の尻尾;牛は大きいことのたとえであり、後は後方(ビリ)のこと

今日は鶏口牛後をいう言葉の意味を知った上で、『この時期、鶏口牛後になるな!』です。
※この時期;夏(講習会や合宿)を目前に控えたこの瞬間。

鶏口牛後を「受験」に置き換えてみると・・・

「たとえ第一志望校(牛)に合格して、下位(後)でついていくより、第二志望校(鶏)で上位(口)をとったほうが良い。」ということになりますね。

これをこの時期に考えてはいけないということ。
まず大前提として、自分が行きたい中学・高校が第一志望校であるということを忘れてはいけません。しかし、今の学力(中3生ならⅠ期の通知表がでるこの時期)を自分で勝手に判断して、いけそうな高校(合格できそうな高校)がいつのまにか第一志望校にしていませんか?本当にそこが第一志望校ですか?と問いたい。

次に、中学・高校に合格してそこでついていけるかどうかは、これからの自分の行動で決まるということ。
次のステップに上がる前に、必ず時間ができる。その時間を有効活用した人が高校でも上位でがんばれる人。世間一般的に言われるのが『高校1年生の春が受験の天王山』。
もちろん、中学受験終了時も。

また、この夏を前にしたこの時期に、受験校のランクを下げるのは自分の可能性を否定しているということ。受験生にとってはこの夏は最大の山場であり正念場。ここでの取り組み方で、秋以降の学力アップは変わってきます。この夏に「勉強体力」と「勉強の仕方(基本フォーム)」を再度身につけることが重要です。

それと第二志望校で本当にトップになれる子は、最後まで第一志望校を目指した人だけ。努力をし続けた人だけ。です。

最後に、この夏はスタートしたばかり。自分の可能性を信じ、最大限の努力をしてください。必ずこの夏の努力は君たちの力となります。

家の前などで、コンクリートから雑草が生えてきているのをよく見かけます。

硬いコンクリートを突破して生えてきたのですが、微力でもじっくり時間をかけるからこそ、雑草はコンクリートを突き破ることが出来るのです。

微力こそ、遠くまで行く秘訣です。

100cmずつ進む人は挫折します。
1cmずつ進む人は成し遂げます。

大切なのはスピードではありません。
ゆっくりと進む“歩み続ける”ことが大切です。
「止」まるのが「少」と書いて「歩」むです。

南アフリカでのワールドカップも、いよいよ終盤。残念ながら、ベスト16に終わった日本チームも、素晴らしいチームワークを世界に見せて大健闘でした。日本が唯一敗れたオランダの話をします。

 オランダには、ある伝説的な選手がいます。名前はヨハン・クライフと言います。彼は現役時代、「クライフターン」と呼ばれる独自のフェイントで相手チームを翻弄し、ジャンピングボレーシュートを見事に決めたりして「空飛ぶオランダ人」というニックネームでたくさんの活躍をしたサッカー選手です。世界最高峰のサッカー選手として「BIG4」と呼ばれる選手の中の一人です。(ペレ、ベッケンバウアー、クライフ、マラドーナ)

 クライフ選手は、バロンドール(欧州年間最優秀選手賞)という年に一度選ばれる世界最高選手に三度も選ばれたり、ワールドカップにオランダ代表として出場したりしました。地位や名誉をほしいままにしました。しかし、彼がサッカーの中で唯一手に入れる事ができなかったものがあります。それは『ワールドカップ』です。彼は、ワールドカップで優勝できませんでした。彼は当時のオランダ代表にこう言っていました。
 『美しく敗れる事を恥と思うな。無様(ぶざま)に勝つ事を恥と思え。』

 君たちに伝えたい事があります。クライフ選手は、勝つ事にこだわるのでなく、美しさにこだわりました。しかし、先生はこう思います。どんなに優れていても、勝ちにこだわる者にしか勝利はないという事です。目指す過程はどんなに泥くさくてもいい。どんなに挫折(ざせつ)してもいい。でもどんなに優れていても最後まで自分の目標を貫き通し、諦めずにチャレンジして目標を必ず勝ち取る事にこだわる人になってほしいと思います。

世界中がワールドカップに注目する中、日本対デンマーク戦では、夜中に起きて本田選手のゴールを見ました。得意の無回転のシュートが見事に決まって先取点。3点目はもっとすごかったですね。ゴール直前で、自分でシュートできたにもかかわらず、となりの岡崎選手にパス、岡崎選手もえらいよね。これを見事にゴール。「こんな日本チームは見たことない!」、素晴らしい活躍でした。

 本田選手の試合後のインタビューもかっこいい。
「もっといけると思っていたから満足していない」というのも「プロ」を感じさせるすごい言葉でしたね。

 小学生の頃、おじさんに「練習の後に記録しないとうまくはならないよ」と言われた本田選手は、それ以来ずっと「練習日誌」を書き続けたそうです。「今日の練習でよかったこと」や「課題となるところ」「がんばったところ」「コーチに注意されたこと」など、欠かさず記録したそうです。こういう話は、本田選手以外にも聞いたことありますよね。たぶん、大リーグのイチロー選手もそうだったと思います。

 私たちは、毎日色々なことを思って生活しています。瞬間、瞬間に。「あの花はきれいだ」とか「明日の日曜日は、どこに行こうかな」とか。でも、思うことはできても、「考える」ことが苦手だなあと思っている人は少なくありません。その証拠に「最近の学生は考えることがうまくできない学生が多い」となげいている大学の先生も少なくないからです。

 そこで提案です。考えることが苦手な人は、まず書いてみることです。「思った」ことを「書いてみる」。はじめは「メモ」でもよいのです。箇条書きに思った事を書いてみる。そして、さらに文章にして「書く」ことをする。「書き始める」と「思う」が「考える」に変わります。つまり、「書く」ということは「きちんと思う」ことなのです。本田選手はこのことを長い間続けたのです。

 大人も子どもも、多くの人は、この「きちんと」ができないでいます。
 今日は、「書く」という行為が、君たちが思っている以上に、「威力」のあることだということを書きたかったのです。だから、書いて、書いて、書きまくれ!!