2023年春のティエラコム大学合格実績において、医学部医学科の合格者数は過去最高を記録しました。
とりわけ、長崎大学医学部医学科の合格者数は13名と特筆すべき結果を叩き出しています。その結果を導いた指導の背景には、受験生たちに常に寄り添い伴走する、東進衛星予備校の担任助手たちの尽力があります。
その中でも、自らも小学生の頃から能力開発センターで学び、東進衛星予備校で医学部医学科(以下医学部)合格を勝ち取った経験を持つ担任助手4名に、能開での思い出や、医学部を目指す小中学生へのアドバイスなどを、たっぷり語ってもらいました。
参加メンバー
増山魁人さん
長崎大学医学部医学科2年生
能開長崎本校
東進長崎道ノ尾校出身
江頭直人さん
長崎大学医学部医学科2年生
能開佐世保校
東進佐世保栄町校出身
武野遥希さん
長崎大学医学部医学科4年生
能開個別道ノ尾教室
東進長崎道ノ尾校出身
渡辺栞名さん
長崎大学医学部医学科1年生
能開道ノ尾校
東進長崎道ノ尾校出身
<司会>寺田先生
東進衛星予備校 長崎道ノ尾校校長
能力開発センター佐世保校、道ノ尾校、住吉本校の教室長を歴任し、2019年、東進衛星予備校の長崎道ノ尾校校長に就任。数々の難関校合格者を輩出し、医学部受験指導を牽引する存在。
江頭:小学4年生の頃に入会しました。目を怪我したことでそれまでやっていた野球ができなくなり、親に勧められて能開に入りました。ハンカチを持ってきていないと叱られたりして、「とても厳しいところ」というのが第一印象です。
増山:小5の時、EXオープン模試を受けたのがきっかけです。地元ではそこそこ頭が良いと思っていたのですが、模試の結果は全然ダメで、親から能開への入会を勧められました。入会当初はまだ受験を考えていなかったので、公立クラスの上位にいれば良いかなという感覚でした。
武野:小6の夏期講習会からです。小学校の勉強に物足りなさを感じていて、長大附属中を目指すために入会しました。
渡辺:小4のはじめに入会しました。小3の時に唐突に「医者になりたい」という思いが沸き上がり、父に「それなら小4から塾に行け」と言われたことがきっかけです。
江頭:佐世保校に通っていたのですが、ある時、僕のいた自習中の教室が少し騒がしくて、隣の教室にいた寺田先生(当時能開佐世保校)に叱られて、それがすごく怖かったのを鮮明に覚えています(笑)。プリントを後ろの人に回す時も、きちんと両手で渡さないと叱られました。あと、教材がとても多かったので、リュックには収まらず、キャリーケースに入れて教室に通っていました。
渡辺:講習会の最後に上映された、講習会中の写真のスライドがとても面白くて思い出に残っています。
増山:講習会の表彰式では、成績優秀者やそれぞれの先生賞が楽しみでした。
あと正月特訓も楽しかったです。小テスト中に年越ししたり、校舎の各フロアに問題があって謎解きしながら上に登っていくというイベントもありました。
武野:僕はWEB確認テストを宿題としてたくさんやりました。ポイントが付くので、頑張った分のポイントを商品に変えることができたのも楽しかったです。
江頭:嬉しかったことは、予習してきたノートのチェックでB判定が取れたことです。大体C判定なのでBがもらえた時はとても嬉しかったですね。ましてやA判定なんてほとんど出ないですし。
増山:僕は一度A判定をもらったことがあります。国語の予習をプラスαでやったのと、数学の途中式などで全ページ余白をしっかり埋めていたことで評価してもらえたのだと思います。元々ノートにまとめることは好きでした。
渡辺:私も、算数のテキストを設問から応用問題まで全部やって、参考書の問題も解いていたらA判定をもらえました。
武野:講習会で行われた「ノートコンテスト全国大会」で入賞したことがあります。僕も整理してまとめることが好きで、こだわってやっていました。
江頭:社会のテキストの要点などをまとめるのは頑張った記憶があります。
増山:中学受験合宿に参加して、模擬入試で合格できたのですが、同じ班の中で受かったのが自分を含め二人しかいませんでした。不合格だった他の子たちにつられて合格した自分も「受かってしまった」というマイナスの発言をしたのですが、班担当だった寺田先生に、「受かったんだからもっと喜びなさい」と言われて、自分のこれまでの努力を一つの結果として出せたことを、誇って良いのだと思えるようになりました。それからもっと勉強に対するやる気が出たと思います。
渡辺:私も中学受験合宿に行きました。知らない人たちと4泊5日過ごすことが結構ストレスで、ずっと体調が悪かったです(笑)。でも、2回目のクラス分けでAクラスに入れたことが嬉しかったです。
江頭:模擬入試ではほとんどの人が落ちていました。泣いている人もいる中、全員目を閉じて厳粛な空気で先生の話を聴いていて、「今から小テストだ。はじめ!」と言われて目を開けたら机の上には問題用紙ではなくバナナが置いてあった、というのを鮮明に覚えています(笑)。
寺田:伝説のバナナ返しですね(笑)。「今までお前たちは何をやってきたんだ。この悔しさを今から小テストにぶつけろ!」という話をして、さもこれからテストを行うように煽りながら、労いのバナナを置いていくという。先生たちも真剣にやってましたからね。
増山:「テストだ」と聞かされているから訳が分からなくて、一瞬バナナを取ろうとして、慌ててペンを取ったのを覚えています(笑)。
渡辺:一年間の内容を3回繰り返す能開式の学習のおかげで、小学校の時から先取り学習をするくせがつきました。高校に入ってからも数学などは先取りして学習していたので、高2の段階で高3内容まで一通り終わっていました。そういう所は役立ったなと思います。
増山:ノートまとめを小学校の時からずっと頑張っていたので、テキストなどに書いてある情報を読み取って整理して理解する、ということのスピードが上がったように感じます。
武野:塾に行ってない人に比べれば勉強する時間と量が明らかに違うし、勉強に対する抵抗感がなくなりました。学びの中で「やってみよう」という第一歩目を踏み出しやすくなったし、勉強への向き合い方が身についたと思います。
江頭:同じ問題を何度も繰り返し演習していたことです。当時は「なぜ同じことばかりやるの?」と思っていましたが、繰り返しやることで力がつくのだと分かりました。色んな問題集に手を出すとやり切れずに総崩れしてしまう場合もあります。一つの問題集や参考書に繰り返し取り組むことで学んだ内容が身につき、大学受験にも活かされたと思います。
武野:全国の同じ中3生が受けていることにびっくりしましたが、毎週自分の点数が順位にも反映されて楽しかったです。県によって問題の難易度が全然違って、大阪はすごく難しかった覚えがあります。
増山:長崎本校では公立模試の後、点数によってクラスが上と下に分けられていて、上のクラスにいないと「やばい」と危機感を覚えていました。校舎内で競い合えるライバルがいたことも良かったです。高校入試は試験時間50分のところを30分でひたすら解き続けたおかげで、入試本番は時間が余るくらいだったので、スピードが培われたと思います。
増山:圧倒的に「忍耐力」です。講習会では大量の予習があって、夜中までやっても宿題が終わらないので、叱られに行っていたような時もありました。能開の先生たちはとても厳しかったので、耐性がついてメンタルは強くなったと思います。
渡辺:「解決力」だと思います。小学生の頃から、解説を読んだり、予習の時に参考書を見て類題を解いたりしていたので、中学や高校でも、分からなくてもまず自分で解決する方法が身につきました。そのおかげでほとんど先生に質問することはありませんでした。
武野:「自己管理力」です。宿題も多いし、やることがたくさんある中で、時間を有効に活用する力、周りを見ながら行動して自分を管理する力は身についたと思います。塾は勉強する場だけど、一つの社会勉強もさせていただいたと思います。
江頭:目を怪我して長崎大学附属病院に入院した時に、初めて医者という仕事を意識しました。高3の時は「医学部は無理だ」と思っていましたが、一念発起して医学部医学科を目指しました。
増山:両親が看護師で、最初は看護師になりたいと思っていました。父に話したら、「今頑張っているんだから医学科を目指せば」と勧められて、医学科を志すようになりました。
武野:僕も両親が医療関係の仕事をしていて、人の命を助ける話を聞いてやりがいや憧れを感じていました。夜中に呼び出されたり大変な仕事ですが、それでも他に代えがたい達成感があるだろうと感じています。また、祖母が病気で大変な姿をずっと見ていたので、孫としてなんとかしてあげたいという気持ちもありました。
渡辺:小学校で親の仕事を調べる課題があり、医者である父の仕事の風景を写真で見ました。大学病院で働きながら臨床をやっている姿を見て、医者になりたいと思い、それからずっと突き進んできたという感じです。
武野:僕は長崎で就職する可能性が高いですが、常に高みを目指して県外に出て働く努力も惜しまず、忙しい中でも楽しんで仕事ができたらと考えています。今、東進で医学部の受験指導として運営している「医進の会」も、生徒たちがしたいことを汲み取って指導していきたいし、担任助手に医学部生がたくさんいるので、強みとして生徒の指導に活かしていきたいです。
江頭:大学卒業後は、福岡などいろんなところに勉強しに行きたいです。そして長崎に帰って地域に貢献できたらと考えています。
増山:父が急性期医療に携わっていて、ずっと病院にいるような人だったので、はじめは「急性期はやりたくない」と思っていました。でも交通事故で亡くなる人のニュース等を見ていると、そういった場面で救命することやそこに携わる父のすごさを感じ、自分もその方向を目指そうと思いました。父はいろんなことに挑戦しているアクティブな人なので、それを見習って自分がやりたい分野に強い病院を目指したいと考えています。
渡辺:父が小児科の開業医なので、おそらく父の後を継ぐことになると思います。発達医学など自分の興味のある分野を勉強しながら、地域に貢献していきたいです。
渡辺:私の場合は、「青雲は医学部受験に強いから目指すなら早いうちに塾に行った方が良い」と勧められました。医学科に行くという目標が決まっているなら、課される課題はもちろん、それ以上のことも含めてとにかく勉強することだと思います。
武野:自分で考えて勉強することも大事ですし、先生たちの言うことを信頼してその通りやってほしいです。先生たちは生徒のことを思って指導してくださっているので、応えるためにも一生懸命取り組んでください。塾には同じ志や目標を持った仲間がいるので、教室のみんなで愉しく切磋琢磨できる環境を有効活用してほしいと思います。
増山:小・中学生のころは習い事も多く通学時間も長くて、あまり友だちと遊びに行くことをしていませんでした。高校・大学に入ったら遊ぶ機会が増えたのですが、遊びと勉強とのメリハリをつけるのが下手で計画性がなくなってしまいました。遊びつつもしっかり勉強もするというバランスを習慣化させられるのは小・中学生の時だと思います。オン・オフの切り替え方を身につけておいてほしいです。
江頭:できるだけ偏差値の高い中学・高校に進む努力をしてください。偏差値の低い学校の上位で満足するのではなく、できるだけレベルの高い集団の中に身を置くことが大事だと思います。
渡辺:自分の反省点でもあるのですが、中高一貫校に進んでも、だからといって中3~高1の公立校生が勉強をしている時に怠けない方が良いです。
武野:現役の高校生は時間の制約も多いから、受験勉強できる時間もあまりないと思います。高3になっていざ勉強しようと思っても穴だらけで基礎が足りていない、やることが山積みという生徒も多いです。高1の頃からしっかり積み重ねることに尽きます。あとは時間を有効に使ってほしい。与えられた課題をいかに自分の中に吸収できるかということが大事です
江頭:大学受験に通じる高校の範囲をできるだけ早く終わらせることです。高1・2の頃から取り組んでください。
増山:「受験勉強は高総体が終わったら」という生徒も多いです。でも、自分も高総体後にやったかというとやらなかった。「何かが終わったら…」という人は次の何かを探すので、高校に入学したら、慣れない中でも勉強する習慣を早い段階で身につけて取り組んでほしいと思います。
渡辺:能開の良い所は先取り学習できることです。大学受験をする時、いかに早く履修内容を終わらせて演習などのアウトプットに移れるかが重要だと思います。能開で学ぶことで得られるアドバンテージを活かして勉強し続けてほしいと思います。
江頭:小中学生のうちはまだ大学受験はあまり実感がわかないと思いますが、その日はあっという間にやって来ます。今やれることを自分でしっかり考えて、医学部を目指していると胸を張って言える姿を周りに示してほしいと思います。
増山:中学受験の時、長崎本校の先生から「受験は自分のために全力で頑張るものだけど、その結果にこれだけの人が喜んでくれることなんてそうそうない」と言われました。周りの人の助けや教材、頼れるものを最大限に活かすことも一つの力です。自分一人で突き進んでいると思わず、うまく周りを頼りながら勉強を頑張ってください。
武野:勉強のためには何かを切り捨てることになるかもしれないけど、それさえも楽しんで、能開に入れた環境に感謝して、前向きに勉強してほしいと思います。それには相応の努力も必要ですが、医学部を目指しているという自負を持って、楽しんで勉強できればそれに勝るものはありません。
寺田:「医者」というのは一番勉強しないといけない職業かもしれないし、なってからも勉強の毎日だと思います。そこには人の命がかかっているわけで、どこに心を置いていいか分からない場面も多いかもしれません。でも能開で勉強だけでなく、様々な部分で成長してきた君たちならきっと良いお医者様になると思います。ぜひたくさんの人を救ってください。本日はありがとうございました。